おとめ座
ユーモアを取り戻す
江戸人の茶目っ気
今週のおとめ座は、「昼顔やどちらの露も間にあハす」(横井也有)という句のごとし。あるいは、忙しい日常をユーモアをもって相対化し、ゆるみをもたらしていくような星回り。
この謎かけのような句法は、おそらく江戸時代特有のものなのでしょう。「どちらの」の解釈ができれば一気に分かりやすくなる。この場合は、おそらく「朝顔」と「夕顔」のこと。
それは、朝顔と夕顔には天の恵みのような「露」が花にのっているが、炎天下に咲く昼顔にはそれは与えられない。つまり、「間にあハす」なのだ。
これは人生を育ち盛りの幼年期、働き盛りの青年壮年期、終わりに向かう老年期の3つの時期に分けてみた時にも、ちょうど当てはまってくる。露にうるおう余裕などなく、ただがむしゃらに働くしかないという皮肉を交えて揶揄しつつも、それを面白がっているところが、この句の味なのだとも言える。
クソ真面目になってしまった近代以降は、こうした江戸人の茶目っ気ある俳句作りはすっかり減ってしまった。ですが今みたいな時代こそ、そうした軽くも重いユーモアが必要なのではないだろうか。
少なくとも、元来が生真面目なおとめ座の人には真っ先に供給されるべきだろう。
自然との同調律
では、近代以降の人間と、それ以前の人達とでは一体何が違うのか?
それは「自然との同調率」であり、実は「スピリチュアル」という言葉の意味には、もともとそうした自然や宇宙とのリズムとの一体であるかどうかということが深く関与していました。
古来から人は、太陽が昇り沈んでいくリズムで活動し、また月の満ち欠けに生命の神秘を感じて生き死にしてきましたが、ユーモアというものも、そうしたところに自然と宿っていったのです。
地球上の出来事を相対化して、大らかなふところで慰めたり励ましたりしてくれるのは人間にとっていつだって宇宙であり、何よりもまず太陽と月だったのです。 今週は、太陽や月のリズムを生活に取り入れていくことで、生活にユーモアを取り戻していきましょう。
今週のおとめ座へのキーワード
ルナーフェイズとサーカディアンリズム