おとめ座
気力を養う
こちらは6月21日週の占いです。6月28日週の占いは諸事情により公開を遅らせていただきます。申し訳ございません。
かたまりをほぐす
今週のおとめ座は、「休んだり休まなんだり梅雨工事」(高浜虚子)という句のごとし。あるいは、気が乗らなかったら、休んだり遊んだりすればいいじゃない。
昭和十三年六月二十日、とある料亭に招かれての作。思わず、道路にしろ建物の改装にしろ、今どきの工事ってどんな具合だったっけとぼんやり考えずにはいられない一句。
資本主義の原理にのっとれば、人目を避けた夜中にさっと済ませるか、一人当たりの労働時間が少なくなるよう、できるだけ早く終わらせることを考えるのではないでしょうか。ただ、ほんらい梅雨どきの工事なんて、掲句くらいの具合でやる方が自然なのだという気もします。
どうしたって、人間は機械のようにはなれないのですから。その点、「休んだり休まなんだり」という言い方は、休むのが当たり前みたいなニュアンスが前提にあって、いい具合に力が抜けています。
おそらく、関西方面の方言であるという点も、グローバル資本主義的な標準語をずらすという意味で、現代人への有効性を高めているのでしょう。
25日におとめ座から数えて「再誕生」を意味する5番目のやぎ座で満月を迎えていく今週のあなたもまた、それくらいの抜け感を身をもって体現していきたいところです。
気力と習慣
あるべき「休んだり休まなんだり」の在り様ということを考えていく上で参考になるのが、野口晴哉の「気力」という文章でしょう。以下、その一部を抜粋しておきます。
出来ることをやるには気力は要らない。要らない時には気力は生じない。
出来ないことをやろうとする時には、気力が要る。
だからできないと思われたことに、できる可能性を見出しただけでも気力はもり上がる。
出来ないことをやって行こうと決心すれば、気力は満ちてくる。
出来るようになったらやろうと考えていると、気力はなくなる。
気力があると疲れない、飽きない、体の力はフルに発揮される。
だから体の異常は正常にかえり、眠っている部分は醒め、
古くなった体にも新しい息が生じる。
ごく自然なかたちで「休んだり休まなんだり」という状態へ開かれていきやすいのは、きっと普段何気なく繰り返している“当たり前”の習慣を、惰性で続けてしまっていると気付いた時なのではないでしょうか。今週のおとめ座も、そうして自分の習慣を見つめ直すところから始めてみるといいでしょう。
おとめ座の今週のキーワード
息の継ぎ目が運気の変わり目