おとめ座
音楽にのって共に踊る
※2021年1月4日~1月10日の占いは休載とさせていただきます。(2021年1月3日 追記)
臓腑の波動
今週のおとめ座は、初発の言葉のごとし。あるいは、近場ではなく彼方からの働きかけとこそ強く共振していこうとするような星回り。
解剖学者の三木成夫は、講演録『内臓のはたらきと子どものこころ』の中で、次のように述べています。
口は内臓の前端露出部といえるものであり、「最も古い、最も根づよい、そして最も鋭敏な内臓感覚」がここに現われており、一方で内臓は胃も腸も子宮も膀胱も、ぐねぐねとうねり、たえず蠕動(ぜんどう)しているが、この臓腑の波動こそが「大脳皮質にこだま」して、音として分節されたのが言葉である。
その意味で、声というのはいわば「露出した腸管の蠕動運動」を超えた、「もはや“響き”と化した内蔵表情」であり、そこには心拍のような明確で規則的なリズムとは異なる、言語的に分節しがたい言い難さ、言葉にならなさがあるのだとも言えます。
それはなぜか。内臓というのは不思議なことに、体内にあって「アンテナの届かぬ遠い宇宙空間の天体運行に同調」しており、いわば<彼方>と共振しようとするからではないでしょうか。
30日におとめ座から「ネットワークの広がり」を意味する11番目のかに座で満月を迎えていく今週のあなたもまた、遠くから受け取った波動を言葉にならないうめきとしての声に換えて、自身の口から発していこうとするでしょう。
ダンスパートナーを迎える儀式
『ガイアシンフォニー第四番』というドキュメンタリー映画でも紹介された“レジェンド・サーファー”ことジェリー・ロペスもまた、自然と共振しつつ自分の言葉を展開していく達人のひとりと言えるでしょう。
「私はいつも、海の力の一部になりたいって願っています。大自然の力は決して抵抗できるものではない。 唯一の許される道は共に歩むことです。 対抗しようとすれば必ず結果は悲惨なことになる。共に歩む…そうすればどこかに道が開ける。 」
「ダンスを踊るときのように波の力の良いパートナーになるんです。サーフボードはダンスパートナー、波は音楽、その音楽に乗って共に踊る、それが私の実感です。」
「サーフィンが教えてくれるのはハーモニー、 特に自分自身とのハーモニーです。最初は、海や波などの自然と調和することを学びます。それが出来たとき、次のステップはその調和の精神を日常生活に持ち帰ることです。」
年末年始のあなたもまた、彼のようにできるだけ自然の力との調和を心がけながら、しずかに、しかし力強く、自分のこれからについて、考えを言葉や声で展開してみるべし。
今週のキーワード
波の干渉と新しい波形