おとめ座
同じ実体の二つの側面
両性具有的であるために
今週のおとめ座は、女法王ジョヴァンナのごとし。あるいは、内なる異性と大いにふれあっていくような星回り。
人間は男か女のいずれかとして生まれてきて、余程のことがない限り性が変わることはありません。しかし、中にはそれを普通なら不可能と思われる場で転換してみせた人間もいたのだということはあまり知られていないように思います。
例えばそれは、「天なる父」を上にいただく宗教であるキリスト教の法王の座であり、それを史上唯一、女性の身で占めたとされる9世紀のジョヴァンニ8世(ジョヴァンナ)。
彼女ははじめ恋仲となった修道士の元に身を寄せるため、男装して修道院に入るも、後にそれが露見して逃避行に出ます。
落ち着いた先で彼女は、持ち前の賢さと博識と美貌とによって大いに人望を集め、やがて恋仲の修道士を捨ててローマに単身移り住んでからも順調に出世を遂げ、ついには法王の座についたのだとされています。
こうした話がキリスト教国で人々の心を捉え、語り継がれて、記録にさえ残されたという事実には、それなりの必然性があったと考えるべきでしょう。
つまり、そもそも法王は両性具有的でなくてはならないと、それだけ多くの人が感じていたのではないか、と。
2月24日(月)におとめ座から数えて「カウンタパート」を意味する真反対のサインであるうお座で新月を迎えていく今週のあなたもまた、自分が今後より取りこんでいきたいと感じているエネルギーの性質がどんなものなのかが、改めて浮き彫りになっていきそうです。
面影を追って
自分の欠損部分を補ってくれるような特別な相手のイメージというのは、実は誰の中にでも存在しているものです。
例えば、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』の中にも、目を閉じると、昔から同じ情景でこちらを向いてたたずんでいる女性の顔が浮かんでくるという描写があったように思います。
ただし、その面影はどこか曖昧で、その時々で微妙に変化していくものとしてありました。そういうことは誰にもあるのではないでしょうか。もちろん女性の場合は、男性の顔です。
あなたには、目を閉じたときに自然と浮かんでくる顔はありますか?
ここまで読んだのなら、まず何も考えず、目を閉じてみることです。そこで最初に浮かんでくる顔がどんな顔なのか、じっと観察するところから始めていきましょう。
今週のキーワード
分身とその再会