おとめ座
無知の知と想像力
遊びと想像力には関わりがある
今週のおとめ座は、ラップ音を通して家に出る霊と交流したことで有名になった「フォックス姉妹」のごとし。あるいは、意識と切り離されたところで、勝手に手が動くように遊ばせてみることで、自分の中の本当の望みに気が付いていくような星回り。
1848年、十代の二人の少女は家の中でコツコツと何かを叩くような、はたまた家具が動くような物音を耳にする。
音の出所に向かって指を鳴らしたり、自分の名前を繰り返すよう働きかけ始め、やがて音と交信する暗号を編み出した。
その末、音の正体は、彼女たちが住んでいた家で数年前に殺された、商人の霊であると結論づけました。これが死者と交信できると信じられた近代降霊術の一大ブームのきっかけだったのです。
彼女たちの存在は後に反スピリチュアリズムの立場からお金儲けのためのインチキとして糾弾されました。
ですがいずれにせよここで大切なことは、私たちが認識している現実というのは想像力の影響を大きく受けているということ。
そして今週のあなたのテーマは、たとえ錯覚であったとしても想像上の導きに従っていくことで、欲しているものを曖昧にせず、「こうなって欲しい」という自分への期待をはっきりと発動させていくことにあるのです。
自分の望みに気付くには
別の言い方をすれば、何かを「知らない」と認めることは失敗や落ち度ではなく、成功や評価への道筋であるということを、あなたは今週よくよく意識しておくべきなのかもしれません。
ただし、その対象が自分自身である場合、私たちは早速、そうした指標において落第してしまう傾向が強まるようです。
コーネル大学のダニング博士は、能力の低い人ほど
「自分の無能さを認識できず、自己を実際よりも高く評価する」
という認知バイアスが働いているという研究成果を発表しています。
ですが能力の多寡だけでなく、「自分が何を望んでいるのか?」ということに関しても、私たちは往々にして無知です。
かつてソクラテスが言った
「無知の知(何かについて自分が知らないということを知っている)」
を自分自身に適応していくには、フォックス姉妹ほどの大掛かりな仕掛けまでいかなくとも、やはり想像力が働く余地をつくることが不可欠なのです。
今週のキーワード
運試しによって想像力は動き出す