おとめ座
ありふれた不幸と踊る
神託と運命
今週のおとめ座は、神託を受けとったオイディプースのごとし。すなわち、困難な状況にあっても的確に核心をさばいていくか、感情的に暴発して自滅に走るか、どちらかを選んでいくような星回り。
オイディプース王にまつわる物語の骨子は、次のような一言に凝縮できます。
「運命を避けようとして行ったことは、かえって運命を加速化させてしまう」
オイディプースはそもそも自分の両親が実の親ではないのではないかという疑念を晴らすために、デルポイでアポローンの神託を受けたのですが、しかしアポローンは彼の問いには答えず、代わりに「故郷に近寄るな、両親を殺すであろうから」という神託を与えたのでした。
彼は、実の親であろうふたりを助けるために故郷を去り、旅に出た。
しかしそれが、結果的には真の両親を殺す運命の歯車が回す、直接的な引き金となっていったのです。
今週は、誰かから不意に言われた一言や、たまたま目に飛び込んできた言葉をある種の「神託」として受けっていくことになるかもしれません。
その時、神託から目を逸らして憂さ晴らしに走るのか、それともじっと苦しみの中に潜むのか。あなたは岐路を迎えていくことになるでしょう。
マイルドなゲスへ
人に知られたくないゲスな欲望というものには、オブラートに包み何食わぬ顔をして生きていると、かえってゲス度がアップしていくという恐ろしい特性があります。
同じゲスなら踊らにゃソンソン。
そういう意味では、運命を避けようとか、上手にリスクヘッジしておこうといった態度って、踊るのに一番ふさわしくないマインドセットなんですよね。
むしろ、「運命に負ける」とか「運命と心中する」と思いきった方が、案外余計な動きや迷惑も少なかったりする。第一、僕らにできるゲス行為なんて、たかが知れていますから。
それに「水清ければ魚棲まず」と言うように、あんまり清廉潔白でいるよりも、マイルドなゲスとして息をしているくらいのほうが、人にはやさしい存在なのかもしれません。
今週のキーワード
運命に負ける