おとめ座
文体練習
引き算の自己表現
今週のおとめ座は、何度も書き直しては消してきた一言を、さりげなく書き置こしておくような星回り。あるいは、今まで周囲に隠していたものを、黙って示すこと。
新しい価値観が生まれてくる時というのは、丁寧に言葉を紡ぐことを心がけても、かえって乱暴さばかりかが目についてしまうことがあります。
何事かを言葉に託すごとに、その言葉に裏切られる。そして沈黙が生まれるのです。
結果的に、自分の中で新しく生まれてきた何かは黙って示される。というより、「黙って置かれる」のでしょう。
その置かれたものに、誰かしら気付いてくれればいいし、気付いてくれなければ仕方がないから、そのまま黙っている。
こうして書いてみるとやはり、そこで熱心に説明し説得するというのは、今週のおとめ座のあなたからは最も遠い態度のように思います。
これまでとは少し違う形で、自分らしさを表現してみること。そこでの「引き算の自己表現」を意識されてみて下さい。
リズムと文体
文豪ディケンズは、日課として創作のヒントを得るために、散歩にいそしんだと言われています。
散歩というと、意味のある持続の破綻をもたらす行為や、仕事の生産性に直接関係しない無意味な時間と思われるかも知れません。
ですが手も足も自由な暇な時間というのは、日常から一歩離れて生の全体を見渡すためには欠かせない必要条件でしょう。
それは、座ったままの状況からはリズムは生まれてこないからでしょう。ただじっとしていると、どうしても言葉が煮詰まってきて、スムーズに流れなくなる。
その意味で、今週は歩くリズムや、踊るリズムなど、自分に合ったリズムを身体に刻んでいくことで、自分なりの文体を改めて整えていくといいでしょう。
今週のキーワード
不要な言葉は自然に返す