おとめ座
諦めつつも生きていく
「別れと目覚め」
今週のおとめ座は、葬儀をDIYしていくよう。あるいは、「痛み」を通して、自分を蘇らせていくような星回り。
宗教学者の鎌田東二は「別れと目覚め」というエッセイの中で、生前から坊さん嫌いを公言していた義父の葬儀を、悩みつつ仏式から神式に変え、自分自身が斎主となって執り行っていった自身の経験から、ある時ふいに次のような言葉を思い浮かべたそうです。
「わかれとは
いのちのめざめ
めざめることの いたみ」
別れはつらい。なぜなら、それは喪失であり、関係の変化であり、どんなに兆候があろうとも決定的な関係の切断であり、痛みであるから。
ただ、そうであるがゆえに、必然的に今後も自分が生きていくことの問いかけと諦めの観念を呼び起こし、その意味で痛みを伴う目覚めなのだろう。
8月8日(木)におとめ座から数えて「うつろい」を意味する3番目のさそり座で上弦の月が形成されていく今週は、そうした別れを通してしか成長し、目覚めることのできない自らの宿業のようなものを改めて痛感していくことになるはず。
ずっとこのままでいられたら、という思いを強く抱くほどに、そうした目覚めというのは必然性を帯びてくるものなのではないでしょうか。
もっと悲しくなろうよ
若い頃は考えもしませんでしたが、年をとるほどに深まる悲しみというもの確かにあります。生きること自体がひどく悲しいことなのだという実感であり、その思いがあるからこそ命はいよいよ華やいでいくのだ、と。
現代の日本社会では、どうしても「悲しい」ことを避けて蓋をしようとする風潮が確かに存在していますが、そもそも人が何かを悲しいと感じることは、果たされなかった他の誰かの気持ちを汲むということであり、必ずしも悪いことではないのです。
むしろ今週のおとめ座のテーマは、もっと積極的に悲しくなろうよ、というところにあるのだとも言えるかもしれません。
そして、そうであればこその痛みであり、そうであればこその目覚めなのだということを、今週のあなたはよくよく思い出していくことになるでしょう。
今週のキーワード
「別れと目覚め」