おとめ座
過去とのあいだに線を引く
決定的な一行
今週のおとめ座は、「はつきりしない人ね茄子投げるわよ」(川上弘美)という句のごとし。あるいは、曖昧なままにしてきた現実に、ひとつ明確な線を引いていくような星回り。
茄子は野菜の中でも作りやすい部類で、ゴールデンウィークに苗を植えればものの1カ月で花を咲かせ実をつける。意図せぬところでいつの間にか育ちきってしまうという意味では、どこか人間関係にも通じているような気がしなくもない。
この句では、そんな茄子とはまったく関係のない話をしていて、片方がはっきりしない言動を取ったのかもしれませんし、もしかしたら男女がキッチンで晩御飯の献立を決めているだけかもしれません。
いずれにせよ、ひとつはっきりしているのは、茄子を投げようとしているのが女で、少し腰が引けているのが男だということくらいでしょう。
美輪明宏がどこかで「弱い女と強い男には会ったことがない」という旨のことを書いていましたが、これは体の構造上致し方ないことであり、どんなケースであれ変わることのない事実です。
さて、例えばあなたなら掲句からどんなストーリーを紡いでいくのでしょうか?
変わることと変わらないことの両方をよく踏まえた上で、今週はあなたなりの創意工夫で人生脚本の決定的な1行を書き出していきたいところ。
時代は変わる、私が変わる
「ラインが引かれると/呪いが放たれる/足の遅いやつだって/早くなることもある
今新しいことも/明日には古くなる/秩序だって/混沌に変わる
正義だって/悪徳になる/時代は動いていくのだから」
これはボブ・ディランの「The Times They Are A-Changin(時代は変わる)」の最後の部分ですが、今のあなたにぴったりな曲だと言えるかもしれません。
つねに動き続ける時代とともにあるために。
もし自分や、身近な関係に未来があると少しでも思えるのなら、流れの中で溺れてしまわぬように、自分の手で過去を飛び越え、人生におけるひとつの時代を更新していきましょう。
今週のキーワード
女の強さ