いて座
精悍と無邪気
欠くことのできない存在の捉え方
今週のいて座は、「精悍になる二度揚げの鬼虎魚」(松下道臣)という句のごとし。あるいは、熱き血潮に染められて一つの炎のようになっていくような星回り。
恐ろしげな名前から、私たちは鬼虎魚(オニオコゼ)には鬼のような角があり、虎の縞があるとても獰猛な魚に見えるが、食べると非常に美味で、唐揚げだけでなく刺身やお吸い物にもされる高級魚。
そもそも「おこ」とは、顔が笑えるくらいに愚かにして奇怪なことを意味し、その醜さと美味の取り合わせから、古来よりやはり醜く嫉妬深い山の女神への捧げものにされてきたのだとか。
そんな鬼虎魚を二度も油地獄のなかに放り込むというのだから、人間のほうがよっぽど鬼に近いような気もしますが、同時に海底にすむこんなに厳めしい魚を、昔の人たちは逞しくも自分たちの生活に欠くことのできない存在として身近に感じてきたのだ。
「精悍」という人間味のある捉え方も、そうした私たちの血に刻まれた親近感の裏返しなのかもしれません。今週はそうして自身の未来を開拓していくにあたり、欠くことのできない協力者や手助けしてくれる存在といかにして結びついていけるかがテーマとなっていきそうです。
持つべきものは子供みたいな友
人は多かれ少なかれ、「周りがそうだと言っているからという理由でそう思い込んでいる」偏見という名の目に見えない布をまとっています。
ときどき違和感を覚えることはあっても、そうした集団催眠というのはきっかけがないとなかなか自分で解くことは難しいのですが、逆に人の手を借りることで驚くほどすんなり解けてしまうという特徴があります。
最近なんだか息苦しいなと感じていたなら、見えない衣でがんじがらめになってしまう前に、それとなく気の置けない友人に連絡を取ってみてください。その際、できるだけ子供のようにまっすぐな目で、ありのままのあなたの姿を見てくれる人物を選ぶこと。
精悍であるということと、子供みたいに無邪気であるということは、いて座の場合ほぼ同じことなのです。
今週のキーワード
爆ぜるほどの無邪気さを