いて座
卵と音楽
こちらは6月21日週の占いです。6月28日週の占いは諸事情により公開を遅らせていただきます。申し訳ございません。
生き方のモデルとしての生成
今週のいて座は、「卵(ラン)」としての世界のごとし。あるいは、改めて否定性をいっさい持ち込まずに自分自身を捉えていこうとするような星回り。
表面的には色も形も均質的に見える卵の内部は、実際にはさまざまな分化へ向かっている力線に溢れており、しかしどろりとした流動体でしかない卵のなかみは、それがやがて何になろうとしているのか、はっきりと確認できる訳ではありません。
どの部分が将来のからだのどの部位を形づくるのか、また、いつ細胞分裂は始まって、その過程でどんな環境を必要とするのかなど、さまざまなゆらぎを含みながら、多様な形をとるために、それ自身はかたちをなしていない、潜在的な力のかたまりとしてそこに在るのです。
ドゥルーズという哲学者にとって、世界とはまさにこのような意味での卵としてイメージされました。そして、そうした世界を生きるとは、未分化な卵の未決定性を生き抜いていくということであり、何にでも成り得るが、しかし安住すべき拠点も定められた目的もない、そうした“生成”であり続けること。
ここで言う“生成”とは、新たなものが生み出されていくある種の流れであり、ドゥルーズはそれを連続性をもったメロディーのようなものとしてイメージしていました。
そして25日にいて座から数えて「自尊心」を意味する2番目のやぎ座で満月を迎えていく今週のあなたもまた、誰にもマネできず、分析(分解)しきることのできない固有のメロディーとして自分を捉えて、その流れにのってみるといいでしょう。
心拍というメロディー
心臓は1分間に約72回、1日に約10万回拍動していますが、この拍動が5万回程度になってしまうとペースメーカーを入れなくてはいけなくなるのだそうです。電池も入っておらず、コンセントにも繋がれていないにも関わらず、心臓は毎分毎日どころか、受精後7週間から死ぬ瞬間まで休まず動き続けてくれる訳ですが、ではこの心臓を動かしている電気は一体どこからやってきているのでしょうか?
心臓の右心房付近にある洞結節という場所がペースメーカーの役目を果たし、心臓の収縮を指令するための電気的興奮が作られているそうなのですが、じつは発生場所は分かっていても、どうやって電気が発生するのかまでは未だ現代医学では解き明かせてないのだとか。
一方で、中世の医師たちはこの心臓はなぜ動くのかという問いに対し、「太陽から」という答えを出しました。心臓には心房と心室を隔てる壁をあわせ、縦横十字の壁が形成されていますが、そこに太陽神がいるのだという認識を持っていたのです。
今週のいて座もまた、自分にとってとても身近で、慣れ親しんでいる日常のなかにある種の超感覚的な「目に見えない影響力」が働いているのを実感していきやすいでしょう。
いて座の今週のキーワード
キリスト衝動