いて座
問いこそ力の源
意外な答え
今週のいて座は、アッラーの意外な声のごとし。あるいは、割りきれない問いを持ち続けることの大切さを改めて思い出していくような星回り。
精神科医ロバート・コールズが長年かけて集めた子供たちの内面世界における神秘体験について集めた『子どもの神秘体験 生と死、神・宇宙をめぐる証言』という本に、次のようなエピソードがありました。
それはイスラム教の子供と話し合っていたとき、その子はいじめられっ子でしたが、何とか自分を強くしてほしいと頼んだら、アッラーが力を与えてくれたのか、ぐっと相手を睨みつけることが出来たのだと語ったと言います。
けれど、話はそこで終わらずに、いじめられっ子が自分を強くしてくださいと神に祈ったらどうなのかという疑問が生まれ、これに答えてほしいとその子はアッラーに祈った。すると、神の声が聞こえてきて、「一生悩み続けていいのだ。悩みをしまいこんで忘れないよう祈りなさい」と語ったそうです。
そして神の答えに、この子は当惑してしまった。神ならばもっと明快な答えを与えてくれると期待していたのに。けれど、その後もしばらく考え続けるうちに、「悩み続けることに意味がある」ことを悟ったのだと言うのです。
ここには、子供たちが大人の体験するそれを超えた光を感じることがある一方で、大人の計り知れぬ闇をもまた経験しているのだという事実が垣間見れます。
29日にいて座から数えて「心の支え」を意味する4番目のうお座で約5カ月ぶりに海王星が順行へ戻っていく今週のあなたもまた、子供に負けぬように、もう少し悩み続けてみてもいいのではないでしょうか。
一粒の種子
詩人や俳人、画家や舞踏家なども含め、芸術家というのはよく言われているように、ごく若い頃につくった作品の中に、後年の作品の芽が端的に現れていることが多いのです。
それは誕生から死までほとんど変わらない一粒の種子が、同時に人生全体を包むような核心を成しているように、人の本質はそうそう変わることがないということを我々に教えてくれるよい例でしょう。
特に子どもというのは、かくも小さいがゆえに、経験より想像力に頼るため、その時期に「何を問い、作りだし、垣間見たのか」が、良くも悪くも深くその人の本質を形成してしまうのです。
今週はそうした自分という存在の中心にある一粒の種子を、今いちど思い出していくことで、改めて人生において自分が何を大切にしているかを認識していくことができるはず。
今週のキーワード
霊的故郷