いて座
運気グルーヴ
楽器として私たち
今週のいて座は、「夏めくやバンド名バスドラムに書く」(トオイダイスケ)という句のごとし。あるいは、グルーヴに乗っていくことで遠くまで行く勢いを養っていくような星回り。
夏の気配が濃厚に漂い始めるのを待っていたかのように、あれだけ揉めていたバンド名があっさり決まった。その喜びに任せて、まずはバスドラムに書いてしまおう。そうしてやっとただのバスドラムは、バンドのバスドラムへと変わるのです。
中七に畳みかけるように繰り返された「バ」音によって、意味の連なりへの引きを音の押しだしが凌駕する形でグルーヴを作り出していく掲句は、そのまま音楽にかけた架空の若者の青春を凝縮したような一句。
「はっけいよーい!のこった」という相撲の立ち合いにもどこか通じるように思いますが、作者は俳人である他に、音楽家でありベーシストであるというから、このグルーヴ感はやはりバスドラムを打つ音なのでしょう。
こうしたある種のうねりの感覚というのは、運気においても非常に大事になってきます。「運がいい人」というのは、言ってしまえば「グルーヴのある人」のことなのです。そしてそれはある程度は天然のものであり、それを活かすことが肝となります。
7月5日にいて座から数えて「生得的なギフト」を意味する2番目のやぎ座で満月が起きていく今週のあなたもまた、もともと持っているグルーヴにうまく乗っていくことで、活路を見出すだけの自信と勢いを作り出していくべし。
いい運気は肉体メンテから
本来、私たちが持ち得ている肉体というのは、人工的に再現しようとすれば一つの広大な工場が出来上がってしまうくらい、複雑な機構や働きをギュッとコンパクトに詰まっているのですが、私たちはそんな工場の生産性だけは享受しながらも、しばしばメンテナンスを忘れてしまいますね。
同様に、自然に関心を払うことは昔から人間の基本的な本能でしたが、都市に暮らし、車を乗り回し、一日中パソコンの前に座るようになってから、そうした本能はすっかり壊れてしまっているように思います。
それ以前の、かつての人類は、何を食べるか、それがどこにいるか、どのように生えるかについて常に考えながら生きていました。農耕の始まりまで、人間は植物が見分けられなければならなかったし、おいしい食べ物と毒のあるものとを取り違えた者は、もし無事に生き延びることができた場合、同じ間違いを繰り返さないことを誓いながら、自分の経験を他の人にも伝えたことでしょう。
今週のいて座は、特に腸をケアすることを通して、自然とつながろうとする本能を再び呼び覚ましていくことが大事な課題となってくるはずです。
今週のキーワード
いい音出そうぜ鳴らそうぜ