いて座
よどみなく生きるために
ゆらぎと流れとしての私
今週のいて座の星回りは、ゆらぎとしての私らしさを実感していくよう。あるいは、舟をこいでいくように、リアリティーの「流れ」を味わっていくこと。
私たちは時として「身を固める」ことで、鉄の玉のような強固な自己同一性を獲得していこうとし、どんな困難にもつぶれることなく、与えられた使命を全うしていくことができるのだと信じて疑わないようなところがあります。
今週は、そうした信仰が大いに揺らいでいきやすいタイミングとなっていくでしょう。
というのも、今週は16日(金)にいて座から数えて「積極的な不安定さ」を意味する3番目のみずがめ座で満月を迎えていくのと同時に、しばらくのあいだ逆行を続けていた守護星である木星が再び順行に戻っていくから。
こうしたタイミングでは、ともすると「身を固める」ことを求められがちがちになりがちな私は、ギリシャ語でいう「プネウマ」のような空気や息吹、ゆらめき、流れのようなものとして感じられやすくなっていくでしょう。
自然とあなたも、安定した状況や人間関係に居心地の悪さを感じたり、ここではないどこかへ吹き去っていく風のように、空気をかき回していきたくなるはず。
その意味で、今週は「我慢」を禁句に、どこまでも素直になって心をのばしていくといいでしょう。
泉光院の行脚
江戸時代の山伏に、全国津々浦々を旅した「野田泉光院」という人がいます。
現代人と比べると、昔の日本人というのはとにかくよく歩いていたことで知られていますが、江戸時代に全国を自由に旅した記録を残した人は何も松尾芭蕉だけではありません。
この泉光院という山伏は、56歳で宮崎の佐土原を出発してから、6年間で南は鹿児島、北は秋田まで何度も往復しつつ、旅を続けて歩きまくった様子を旅日記として残しています。
やはり超人的な健脚で、その気になれば山道を1日に60キロも歩き通したそうで、しかも粗食と重労働の続く長旅のあいだ病気らしい病気もしなかったのだとか。
また泉光院の旅日記を読んでみると、行く先々でいろいろな人に贈り物やちょっとしたボランティアをしている記述が出てきて、その機転の利きように目を見張るのですが、それもまた「身を固めない」でいられる者の強みと言えます。
今週のあなたも、ある種の「流れ者」としての自分を実感していくことこそが、未来を呼び込んでいくための一番の要となるのだ肝に銘じて過ごしてみるといいでしょう。
今週のキーワード
脱・アイデンティティー