いて座
素朴なる酔狂
気が狂ったと思われてもよい
今週のいて座は、島に手紙を出した明恵のごとし。あるいは、心のどこかで引っかかっていたことに手を着けていくことで、劇的に変貌していくような星回り。
明恵という鎌倉時代のお坊さんのよく知られたエピソードに、島に手紙を出した話があります。しかもラブレターで、宛て名は「島殿」。
これは和歌山県にある「苅磨(かるま)の島」のことらしく、もともと明恵が子供の頃によく遊びに行っていたそうで、ある時にその島の桜の大木を思い出して、いてもたってもいられなくなって手紙を出したのだそうです。
こんな風に書くと、ずいぶん酔狂なはぐれ者もいたものだなと思われるかもしれませんが、当時の明恵はたくさんの弟子をもつそれなりの高い地位にあり、島などへ手紙を出したとなれば気が狂った人間だと批判されることは大いに承知していたようです。
それでも、「仏心を学ぶに、人界だけでなく自然を友として何の咎めがあるか、もはや自分は気が狂ったと思われてもよい」と、そう思い定め、やっとの思いで手紙を出したのだと思います。
春分も明けて、いよいよ本格的な春を迎えていきますが、いて座にとって今年の春は12年に一度の、自己を大いに開いていける春でもあります。
ずっと心のどこかにひっかかっていることがあるのならば、この春のうちに思い切って実行に移してみるもよし。今週は桜とともに、自分自身の心も開いていくつもりで過ごしていくといいでしょう。
力強い勢いを取り戻す
桜の開花は、いつもあっという間です。待っている間は長いけれど、咲き始めればすぐに満開になってしまい、散るのも早い。
同様に、いて座の本質的特徴は、一度動き出め、思い始めしてしまったら止まっていることのできない「力強い勢い」にあります。
すなわちそれは、3日のうちに見違えたように変わってしまう変貌の速さであり、また周囲を巻き込まずにはいられないがゆえの目まぐるしさでもある。
いずれにせよ、いて座の人というのは、たえず新しいビジョンを通じて周囲を炊きつけていきながら、心の底からエキサイトできる現実をみずからの手で創り続けていこうとする人たちなのです。
今週は、そうした元来の性質がいつも以上に強まって、劇的なまでのスピード感で新しい現実に向けて自分を花開かせていくことができるはずです。
今週のキーワード
手紙を出す