いて座
あるかなきかの繋がり
遠くから見守ってくれている存在
今週のいて座は、「一家に遊女もねたり萩と月」(松尾芭蕉)という句のごとし。あるいは、自らの「心の栄養源」になってくれる存在との繋がりを、そっと感じていくような星回り。
旅をしながら身を売る遊女と、老境の俳人がひとつ屋根の下で夜を明かしている。田舎の宿ですから、仕切りなどあってないようなもので、遊女の哀れな身の上話が作者の聞こえてきたのかもしれません。
ともに世間を捨てた者同士、どこか心の通ったところがあったのでしょう。
普通ならば、ここで直接的にであれ間接的にであれ、多少の親交を結んでいきたくなるところですが、作者はそこでただ句をつくっていった訳です。
ひとつ屋根の下に寝ている自分たちは、同じひとつの月を見上げつつ野辺に生い茂っている山萩(やまはぎ)のようなものだろう、と。
こうした「萩」と「月」の構図はどこか哀調を醸しますが、それは両者が決して触れ合うことがないことをどこかで見る側が知っているからなのかもしれません。
今週のあなたもまた、あるようでない、ないようである、といった絶妙な感覚を通して、自分のことをそっと見守ってくれている存在に思い至っていくことになるはずです。
輪
「多大なる自己には当然他人など存在しない為、
薬であれ毒であれ、与えることは得ることとなり、
得ることは与えることに因る。
それが循環という理、輪(和)の回り方である。」
(橋龍吾、『銀河飛行』)
言い換えれば、共にあることと自然体でいられること、生きのびることと癒されること、身を固めることと馬鹿でいられること。
これらを分かつ境界線をいかに引き直していくかということが今週のあなたのテーマであり、あなたに突きつけられつつある「問い」なのだと言えます。
共有とは、ひとつの祈りであり、それはあなたがあなたのまま、大いなる自然の循環に与していくための儀式に他なりません。
今週はそうした儀式を執り行っていくための場や器づくりに取り組んでみるのもいいでしょう。
今週のキーワード
まなざしの輪