かに座
人間ひとり、本1冊
等身大の人生観
今週のかに座は、「紙魚ならば棲みても見たき一書あり」(能村登四郎)という句のごとし。あるいは、自分を祝福してくれるような何かや誰かを通じて自分を再起動していくような星回り。
じめじめした暗いところを好み、でんぷん質のものならば何にでも食らいつく紙魚(しみ)という虫に、もし自分がなったとしたら。
ぜひとも住みついてみたいと思うような本が、あなたにはあるでしょうか? あるいは、あるとしたらそれはどんな本なのでしょうか?
作者はこの句を詠んだとき78歳だったそうですが、少なくとも彼のまだ半分も生きていない自分はまだそこまでの本は思いつきません。
けれど、あるとしたらそれはどんなタイトルか、表紙はどんなレイアウトで、作者はどんな人だろうか、といったことをあれこれ考えてみることはできる。そしてそれは恐らく、あなたの等身大の人生観そのものを表しているはず。
今週は、今現在の自分なりの人生観について、改めて再確認していくつもりで過ごしてみると、必要なヒントを得ていくことができるかもしれません。
自ら書き上げる
例えば、17世紀オランダで活躍したユダヤ人哲学者スピノザは、その思想の集大成として『エチカ』を残したことで知られていますが、その中に印象的な一節があります。
いわく、人は
「自分の憎むものが否定されるのを想像するとき、人は喜びを感じる。だが、人は、自分の憎んでいるものが破壊されたり否定されたりすることを想像するとき、心から喜ぶことはできない。われわれの憎むものが否定されたり、他のわざわいを被ったりするのを想像して生じる喜びは、必ず心の悲しみを伴っている」
と。
この一節は、スピノザにとって神が「信じる」対象ではなく、「理解する」ものであったことをありのままに表していますが、ある意味でスピノザは「棲みても見たき一書」を自らの手で書き上げたのだとも言えます。
自分はどんな書物を書き上げれば、人生を終えることができるのか。今週のテーマについて、そういう視点から考えてみるのもいいでしょう。
今週のキーワード
棲みても見たき一書
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