おひつじ座
流動体として生きる
水の賛歌
今週のおひつじ座は、「色は無し激(たぎ)てば白し湛ふれば青しこの世の命やしなふ」(高野公彦)という歌のごとし。すなわち、激しさと静けさをあわせ持ちつつ、流れ流れていくような星回り。
なんだか謎かけのような歌ですが、この世のすべての命を養っているものと言えば何か。その答えは水。
本来は無色透明だけれど、激しく流れるときは白くなり、静かに湛えられているときは青い。水は自在に姿を変えながら、ときにこの世を包みこみ、ときにその内部へと浸透し、あるいは目の前のすべてを押し流しながら、はるかな時間をこの世とともに流れてきた。
あなたもまた、さながらそんな水のようになって、これからを生きていけばいい。
そんな感慨と覚悟の中間のような心持ちをこそ、今週は目指していきたいところです。
異なるモードの間を流れゆく
なるほど地球は息吹いているのであり、同様に人生とはつねにうつろいゆく風景のようなもの言えます。たとえ台風がやってきたとしても、ざわめき騒ぎ立つのはあくまで海の表面のみで、その下には深海が静かに広がっているし、その逆も然り。
どんなに重苦しく不透明な海であったとしても、海面に出てしまえば、そこには日の光を浴びてきらきらと輝く穏やかな光景が広がっているのです。
表層と深層、人生にはつねに2つの異なる顔がその時々の表情を浮かべており、健全さとは、そうした2つの風景を行き来する、潮の流れのようなしなやかなアイデンティティーが保たれている状態なのだと言えます。
もし今あなたが特定の顔だけにはまり込んでいるのなら、すぐにでも探索に出かけましょう。
あるいは、きらきらとした波間や、海中の神秘を思わせる相手がいるなら、彼らの懐に飛び込んでいきましょう。そしてもしその途上で迷ってしまったなら、まずは感じたことを素直に受け入れてみるという、フィールドワークの基本に立ち返ってください。
今週のキーワード
上善如水