おひつじ座
自然体の反応
自意識を抜いていく
今週のおひつじ座は、「かりそめにはえて桃さく畠かな」(心流)という句のごとし。あるいは、変に入っていた力を抜いて、自然体を取り戻していくような星回り。
作者は元禄時代の無名の俳人。句の意味としては、畑の隅にはえてきた桃の木を放っておいたら、いつの間にか花が咲き始めたなぁ、ということだろうか。なんとまあのんびりとした句でしょう。
こうした古い句を収集していた柴田宵曲(しばたしょうきょく)は、「こういう技巧のない、大まかな句を作ることは近代人には難しいかも知れない」と書いていますが、実際その通りでしょう。
現代人は何をするにしても自意識に犯されすぎていて、自然であれ人間であれ素朴に向きあうこと自体が難しくなってきてしまっている。
うまいことやってやろうなどと小賢しく頭を働かせる必要などないのだ。あなたもまた、今週は余計な考えをなるべくはさまず、どれだけ目の前の現実をそのままに受けとっていくことができるかがテーマとなっていくでしょう。
素朴になりきる
「多くの歴史家が、一種の動物に止まるのは、頭を記憶で一杯にしているので、心を虚しく思ひ出す事が出来ないからではあるまいか」
ある批評家の言葉を借りれば、今週のあなたはまさに心を虚しくして、ただ目の前にあるものへ無心で反応していくことができるかどうかが問われているのでしょう。
好きな人が横にいたら嬉しい、いなくなったら寂しい。そんな当たり前の感情を、多くの人はつまらないこじつけでダメにしてしまうのを、私もこれまで何度も目にしてきました。
おひつじ座の人というのは、どこか時代とズレたところがあるのですが、今週は一時的に、素朴な江戸時代の農民にでもなったともりで過ごしてみるといいかもしれません。
今週のおひつじ座へのキーワード
時代からズレる