おひつじ座
猛烈な発散
伝説の三上寛
今週のおひつじ座は、三上寛の歌った『夢は夜ひらく』のごとし。あるいは、人生の螺旋のなかで、どうしようもなく訪れる失望と停滞を越えていくような星回り。
当時まったくの無名歌手だった三上寛が、田舎者丸出しの風体で、からかい混じりの嬌声や飛び交う野次のなか、「いくぞ!」と一声吼えてから歌った『夢は夜ひらく』。
誰も知ってる「夢は夜ひらく」に、全身全霊でオリジナルの歌詞をのせ歌い始めた三上は、あっという間に観衆を圧倒し、そのままライブは伝説となりましたが、そんな猛烈なエネルギーの発露こそが今のおひつじ座にもっとも必要なものではないでしょうか。
「七(質)に二(荷)をたしゃ九(苦)になるが 九(苦)になりゃまだまだいいほうで 四(死)に四(死)を足しても九(苦)になって 夢は夜ゆらく サルトル マルクス 並べても 明日の天気は わからねえ ヤクザ映画の看板に 夢は夜ひらく 八百屋の裏で泣いていた 子ども背負った泥棒よ キャベツひとつ盗むのに 涙はいらないぜ」
胸のうちに溜まった苦い思いを、語るべき夢へと昇華させていくプロセスの中でこそ、自分を救っていくということができるのだと思います。
人を通して我を知る
人には誰かに向かってなにかを語ることで初めて、語られた内実に気付きを深め、そしてそれは語った相手のリアクションによって強化されていきます。
今週のあなたは、これまでかすかな感覚や記憶の断片であって大して価値を置いてこなかったものが自身の語りを通してひとつの大きな価値となり、また強烈な感情を引き起こす呼び水となっていくという経験をしていけるかもしれません。
あなたの盲点をついてくれるのは、やはり似た境遇にいる誰かでしょう。
今週のキーワード
盲点から夢をひらく