おひつじ座
わが世界観の楔
※1月10日〜16日の占いは、諸事情により休載いたします。誠に申し訳ございません。次回は1月16日(日)午後10時に配信いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
「火水」と書いて「かみ」と読む
今週のおひつじ座は、「火も水も迸(ほとばし)り年新たなり」(小野恵美子)という句のごとし。あるいは、神様からの加護を全力で求めていくような星回り。
今や竈(かまど)で日を焚くような家庭はごく一部の例外を除いてほとんどなくなってしまい、年明けに最初に竈に火を入れる「初竈」や「焚初」という季語も自然と使わなくなってしまいましたし、元日の朝に水を汲むことを指す「若水」も家に井戸がなくなるにつれ死語となってしまいました。
しかし、そうした世の中の移り変わりにも関わらず、人間が人間である限り、火と水なしに生きていくことはできません。もちろん、いにしえの人々にとっては生存と直結していたためにより切実ではありましたが、現代社会でもそれは基本的には変わらないはず。
その意味で、掲句は新年の火と水を詠うことを通じて、人間が生きることの原点を指し示しているのだと言えるでしょう。ひるがえって、今のあなたにとって自分を生かしてくれる「火と水」にあたるものとは何なのか、思い当るものはあるでしょうか?
2022年1月3日におひつじ座から数えて「奉じるべき神」を意味する10番目の星座であるやぎ座で新月を迎えていく今週のあなたは、自分なりの世界観の楔となっているものを再確認していくことがテーマとなっていきそうです。
「スピリチュアルな」健康に配慮する
1999年のWHO(世界保健機関)総会において、「健康の定義」をめぐり従来の身体的・精神的・社会的なウェルビーイングに対し、「霊的(スピリチュアル)な」という第四の項目を付け加えようという提案が主に中東諸国からなされたものの、最終的に否決されたということがありました。
現代、特に日本社会では「霊的」などと書くと、とたんに胡散臭い印象を持つ人が多いと思いますが、この「スピリチュアル」という言葉は、前世や守護霊やオーラなどの言葉と関連するようになる以前は、本来季節のうつりかわりや月や太陽など自然や宇宙の大いなるサイクルと調和した状態を指していました。
つまり、いくら食生活や睡眠に気を付け、読書や映画などでメンタルを柔軟に保ち、仕事や友人付き合いなど社会生活に何の問題もなくても、私たちはそれでもなお頼りなく、不安定になってしまうリスクを抱えているのではないか、という指摘が含まれていたということです。
今週のおひつじ座もまた、人に見せていきたいセルフイメージをいったん自分から外して、そうした第四のウェルビーイングということについて向き合う時間をきちんと確保していくといいでしょう。
おひつじ座の今週のキーワード
生き方における些細で、それでいて、まぶしい要素