おひつじ座
自分を深く癒すこと
こちらは9月27日週の占いです。10月4日週の占いは諸事情により公開を遅らせていただきます。申し訳ございません。
再統合の試み
今週のおひつじ座は、マンダラ塗り絵のごとし。あるいは、自分を癒していくことに手間と時間をかけていくような星回り。
かつて精神分析家のユングは精神を病んだ患者の治療に取り組んでいるうちに、かれらがマンダラによく似た図形を描くことに気付き、それを患者がみずからを治癒しようとして、ほとんど無意識に試みるときに出現する、心の統合と全体性の元型と見なしました。
つまり、マンダラは象徴という手段を通して、対極にある存在どうしの熾烈な葛藤を調和にみちびき、崩壊していた秩序を再統合していくことで、患者と世界との和解を促していくための有力な方途となりうるのだ、とユングは考えた訳です。
そうして、たとえ宗教的な伝統とどんなに離れていようとも、自発的にマンダラ的な図形を描いたり、自分の無意識に潜んでいるエネルギーにアクセスし、関わっていくことで深い癒しが得られる可能性を発見されたことで、ユング派の精神科医や心理学者が考案したのが「マンダラ塗り絵」であり、その後、宗教学者の正木晃の監修で日本でも出版され、ロングセラーになっています。
正木さんの話によると、当初、まず大学の授業で使ってみたら、授業内容に興味を持てず、集中力に欠けがちな学生ほど夢中になり、次第に他の授業にも興味を抱くようになってくれたのだとか。
9月29日におひつじ座から数えて「心的基盤」を意味する4番目のかに座で下弦の月を迎えていく今週のあなたもまた、どうしたら本来の落ち着きを取り戻せるかということに注力していきたいところ。
‟神のみこころ”に即す
「内面に沈黙をつくりだし、いっさいの欲望、いっさいの意見に口をつぐませ、愛をこめ、たましいのすべてをあげ、言葉にはださずに、「みこころの行われますように」と思いをつくすとき、次にこれこそどうしてもしなければならぬことだと、あやふやさの一点もなく感じられることがあったら、(もしかすると、ある点では、これも思い違いかもしれないのだが……)それこそ、神のみこころである。」(『重力と恩寵』、シモーヌ・ヴェイユ、田辺保訳)
人間はおそらく神のみこころそのものを知ることはできませんが、祈りやそれに類する習慣を通して個別的な事柄や思惑を頭の中から祓っていくことは決して不可能ではないはずです。少なくとも、どんな言動、あるいは決断を選択していくべきかをはっきりさせていくことはできる。じっと目をこらして、観察し、自分に問いかけることを怠らなければ。
そうした「当たり前のことを真面目に問い、応える」ということが、あらためて今週のおひつじ座にとって一つの指針となっていくはずです。
今週のキーワード
内なる神への奉仕