おひつじ座
精神の勢い
学びの場の呼応
今週のおひつじ座は、「起立礼着席青葉風過ぎた」(神野紗希)という句のごとし。あるいは、思いがけず動いた食指に何かが呼応していくような星回り。
作者が現役高校生だった頃の句。「起立、礼、着席」という声とともに授業は始まるが、掲句ではただそれを漫然と聞いているというより、みずからそれを発している人の臨場感がある。
「青葉風過ぎた」は、「青葉風」「過ぎた」と区切るのではなく、「青葉」「風過ぎた」だろう。教室内に響く声に、窓の外に見える青葉もまた反応し、まるで共に授業に参加するかのような構えを見せているようだ。そこに、サーっと風が吹き抜けていく。
この「風」とは、物理的なものというより、無意識の底からこころを振り動かすようなざわめきに対する比喩表現であり、精神的な刺激の大きさやその新鮮さを表しているのだろう。
こうした経験は、誰しも一度はあるのではないだろうか。知ることで人格さえ変わってしまうような知識や教えに触れたとき、人はまるで運命の相手に出逢ったかのように強い予感に駆られるのだ。
23日におひつじ座から数えて「教えと学び」を意味する3番目のふたご座で新月を迎えていく今週のあなたもまた、ある種の本能を通じて自分が新たな学びのステージに入ったことを直感していくことができるはず。
引力と斥力
<わたし>という現象は一種の「磁極」のようなものであって、磁場の中心なのかも知れないと考えてみたい。
<わたし>の周囲には磁力が働いていて、同じように磁気を発するものを引きつけていく。そして、もうひとつの磁極が近づいてきたとき、反発力が生じて、<わたし>が強まる。
つまり、そうして<わたし>が巻き込み、かつ巻き込まれつつある関係を生きているとき(磁極としての性質を全うしているとき)、<わたし>は初めて強まるのであり、健全と言えるのだということになる。
これは、正反対の極どうしでは引力を,同じ極どうしでは斥力を働かせていくのが、磁極たる<わたし>にとって、自然な「教えと学び」のプロセスなのだということでもあるはず。
あなたはいま巻き込んでいるだろうか、巻き込まれているだろうか、しりぞけているのか、しりぞけられているのか。あるいは、そのいずれもだろうか。よく周りを見回して、磁力の働きやその強さ/弱さをいま一度確認されたし。
今週のキーワード
磁力は反発の中でこそ強く大きくなっていく