おひつじ座
目玉より心臓!
人は心臓で本気になる
今週のおひつじ座は、天の川をみずから泳いでわたらんとする織姫のごとし。すなわち、目を楽しませることより心臓を高鳴らせることを選んで実践していくような星回り。
現代という時代における悲劇とは、何事においてもいまいち「本気になれない」ということの中にあるのではないかと思いますが、それはここ最近のあなたの姿でもあるかもしれません。
感情的な「エモさ」や、身体的な生命力のようなもの、それらが根本的なところで満たされることがないために、思いっきりチャレンジするとか、理想や夢を追いかけるというモードへ、なかなか移っていけない。
あるいは、本気で欲しいと思えるような相手ではなく、好きなのかどうか自分でも分からない半端な相手ばかりと付き合ってしまったり、付き合っていても相手とぶつかることを避けた結果、なんだか余計にさみしさが深まってしまうこともあるでしょう。
それでこうした事態の本質というのは、言ってみれば「見てるだけ」なんです。脳が主体になると、どうしても何かを見て脳を刺激させること自体が目的化してしまう。そうなると、自分のことさえどこか他人事のような状態になっていくので、結果、何も大事なことは起こりゃしない。
自分を本気にするためには、持てる力をしぼり出して心臓に主導権を移し、少しでも高鳴らせていくこと。今週はその一点に尽きるでしょう。
逆ナン上等
「天の川棚橋渡せ織女のい渡らさむに棚橋渡せ」(万葉集巻十)
七夕の夜と言えば、彦星が織姫に会いに、天の川を舟で漕いで渡っていくというイメージを持たれている方が多いのではないかと思いますが、中国の詩などではむしろ織姫が彦星に逢いにいくものと決まっていて、上の歌も中国式に女性側が川に板を渡して、いざ渡ってやろうという歌です。
『万葉集』でも日本式に男が女のもとに通う歌がほとんどなのですが、いつの時代のどんな社会にも例外というものはあるものなんでしょう。
例外となることを恐れず、むしろ心臓を高鳴らせるためのひとつの手段くらいに捉えていくノリも、今週は必要になってくるかもしれません。