おひつじ座
夢と自覚のはざまで
トビラを開く
今週のおひつじ座は、「短夜やおもひがけなき夢の告」(与謝蕪村)という句のごとし。
あるいは、遠い過去から贈られてきた「夢」に浸る中で、自分の人生を信じなおしていくような星回り。
「短夜(みじかよ)」は夜の短い夏の季語で、夏至の日に夜は最も短くなる。そして夏至と言えば、占星術では蟹座の始まりですが、そのほぼ中央にあるプレセペ星団は、古代中国では「鬼」と呼ばれていました。
「鬼」とはすなわち「霊魂」のことで、多くの幽霊や、死体からたちのぼってくるガスを表していました。
また古代エジプトでは夏至の頃こそが一年の始まりであり、蟹座はそこからこの世に霊魂が吹き入れられてくる「トビラ」のようなものだったんです。
今週は独り静かに「トビラ」を開けていく中で、自分の活動を支える「元型」的ビジョンや、自分の人生そのものを表してくれているようなイメージを捕まえていくことができるかも知れません。
内海から陸地へ
ここしばらくの試みの中で、自分の存在を引き上げてくれる存在や、心の隙間を埋めてくれる相手を探してみても、本当に求めているものは得られないということが分かってきたのではないでしょうか。
「井の中の蛙大海を知らず」と蛙を揶揄する言葉があります。
そもそもの話、蛙は海水に入れば死んでしまう生物であり、淡水でかつ自分にとって栄養となる昆虫類が適度に存在する場所がいちばんなのです。
世間一般の言葉にはとらわれずに、「自分は何者なのか」という自覚を深めていくこと。
今週のテーマはその一点であり、そうした自覚に基いていさえすれば、自分の身の丈にあった居場所や、拠点のイメージや、必要な情報も徐々に集まってくるはず。
今週のキーワード
蛙の子は蛙