おひつじ座
自己からの贈り物
熟した縁を受け取っていく
今週のおひつじ座は、「業の深さ」に突き当たっていくような星回り。あるいは、「縁が熟す」ということに思い当たっていくこと。
正確な出典は忘れてしまったのですが、日本にユングを紹介した心理療法家の河合隼雄が、「なおる気のない人は、なおる気が起こるまで待ってもらう」というようなことを言っていました。
これは、何らかのニューロティックな症状があらわれた患者というのは、いわば「選ばれている」人であり、意識を越えた世界から一つのサインをもらっている訳ですが、そうしたサインを大事にして、かつその意味するところを究明したいと自然に思えるまでにはある程度時間がかかる。
時間をかけて、症状を乗り越える力を培っていく。逆に言えば、そういう力のない人に、夢分析などしても気の毒なだけだと言うんですね。
つまり、患者の方でも療法家との「合い性」や「縁」がなかったらだめで、時には最初に分析を断ってから2年か3年たってやっと「縁が熟す」ということだって珍しくないのだ、と。
その意味で、16日(金)におひつじ座から数えて「愛を受け取る」という意味を持つ11番目のみずがめ座で満月が起こっていく今週は、自分がコントロールできない、予期しないところで、「縁」というものの不思議を実感していくことになりそうです。
免疫と病い
現代人は病むと、それを必死に治そうとします。
それは社会や周囲から自己管理ができていないダメな奴という烙印を押されるからかもしれないし、そもそも「病む」ということがあってはならないことだと思っているからかもしれません。
けれど、病むということもまた、生命を繋いでいくための手段のひとつであり、いわば身体が発明した究極のサバイバル術なのだと言えます。
そのことをきちんと理解していくためには、身体的な次元において「自己」を規定しているのは免疫系であって、脳ではないという事実を踏まえておかなければなりません。
現代人はふだん「意識」や「自我」が自分を支配し、そこで自らの行動様式や生き方を決定していると思いがちですが、脳なんてものはもう一つの自己を規定する免疫系によっていともたやすく排除されてしまうのです。
古来より、頭では大丈夫だと思っていても、身体が拒絶反応を示す時に、それを「病い」と呼んできた訳で、だからこそそれは「サイン」ともなり得るのではないでしょうか。
その意味で今週は、自分という全体性を保つため、頭ではないところでシグナルを伝えてくる免疫系に従い、脳を慣らしていくための時期なのだと考えるとちょうどいいかも知れません。
今週のキーワード
免疫の意味論