おひつじ座
閉鎖系→開放系
普段使っていない回路を使うこと
今週のおひつじ座は、「同行二人」という言葉のごとし。あるいは、良心の呼びかけに応えていくことで、自己内対話を促進していくような星回り。
冒頭の言葉は四国の霊場巡りの際に袈裟に書きつける言葉で、たとえ、ひとりぼっちの巡礼であったとしても、弘法大師が一緒に回ってくれるからという意味なのだそうです。法華経に「唯仏与仏」という言葉が出てきますが、これもやはりいかなる時でも自分ひとりではなくて、仏が仏に会っているのだと言うのです。
一説によれば、人は一日に6万〜7万語もの言葉を脳内で浮かべているとも言われていますが、これも「同行二人」という立場に立てば、さながらひとつひとつの言葉が大河の一滴として、対話の機会がそこに流れ続けてきているのだとも言えます。
ただ、近代以降の世界では「私」というものを語るとき、どうしてもひとつの鉄の玉のように強固なアイデンティティーを理想として考えてしまうところがあり、「同行二人」などと言われても、自我が分裂して自分以外の声が頭の中で鳴り響いている、自分はおかしくなってしまったのではないか、という風に捉えられてしまうように思います。
その意味では、おひつじ座から数えて「気付き」や「意識の拡張」を意味する9番目のいて座で17日(月)に起こる満月から始まっていく今週は、できるだけ「私」の言葉に重なってくる息遣い、もう1人の自分としての良心からの呼びかけに応答し、独り言を少しでも対話にしていくことを心がけていきたいところです。
宇宙は広い、私も広い
弘法大師などと言っても、今日ではあまりリアリティーがないかもしれませんが、例えば似たイメージとしてアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』には、長門有希というキャラが挙げられるかも知れません。
一見すると、主人公のつくった面白いことを探す部活にオマケで入部させられた、人見知りで奥手な文芸部員なのですが、その正体は宇宙人(情報統合思念体)によって作られた対有機生命体コンタクト用のヒューマノイド型のインターフェイス。
ありとあらゆる情報にアクセス&操作すること可能なのですが、本稿の趣旨とは直接関係ないので詳細は割愛。
それより大事なのは、いつも日常に苛立ち何かと人に噛みつく主人公ハルヒが、長門が本のページをめくっている部室でならぐっすり眠れるという設定です。
今週のあなたと同様、彼女もどこか本能で、自分を超えた存在に開かれようとしているのかもしれませんね。
今週のキーワード
情報統合思念体としての弘法大師