おひつじ座
ライバルの必要条件
虚子と碧梧桐
今週のおひつじ座は「たとふれば独楽のはじける如くなり」(高浜虚子)という句のごとし。あるいは、古臭いカテゴリーにはあてはまらない関係性を生きていくような星回り。
この句には「碧梧桐とはよく親しみよく争ひたり」という前書きがあります。同じ中学の同級生であり、正岡子規を師とする同門の仲でもあった二人は、次第に俳句の対する考え方の違いから対立していきます。
1937年2月1日に碧梧桐は亡くなりますが、この句はその時に作られた追悼句であり、最後のライバルであり親友でもあった相手への最後の挨拶がうたわれています。
馴れ合ってぶつからないように回転を緩めれば、おのれがおのれでなくなるし、お前がお前ではなくなる。互いがおのれであろうとした結果、ぶっかったり、疎遠になったりしたとしても、それでも変わらない何かがある。
そんな懐の広さと、相手の存在を思う気持ちの深さのこもった、虚子だから書けた一句ですね。
あなたにはそんな風に思える相手はいるでしょうか?
願わくば掲句のように、自分がそのままの自分でいられるような相手との遠慮なしの語らいを通して、互いの健闘を祝していきたいものです。
卑屈な友など友とは呼べぬ
友情というのは、いわば魂のキャッチボールのようなものです。
だから、あまりこっちに気を遣って、ゆるい球ばかり放ってくる相手と過ごしていると、次第に気持ちのハリがなくなってきますし、特におひつじ座が向き合うべき相手というのはやはり「強き者」でなければなりません。
芯まで響くような重い球を投げられたり、こちらも全力をぶつけるように球を投げ返したり。そうして手の中に残る痺れに背を冷やしたり、自分の中でふつふつ湧いてくる喜びを見出してゆくことで、未来は静かに切り開かれていくのです。
今週はまずそれほどにアガる相手を見つけられるかどうかが、運気の分かれ目となってくるでしょう。
今週のキーワード
恋愛よりも友情