おひつじ座
ミツバチと世界秩序
ミツバチの役割
今週のおひつじ座はミツバチによる授粉のごとし。すなわち、自然な手招きに応じて自分のなし得るささやかな義務を果たしていくことで、結果的に自分だけでなく、周囲の世界全体のバランスを整えていくような星回り。
1990年代以降、世界中でミツバチの大量死が報告されるようになり、2006年には「蜂群崩壊症候群」という名前も付けられたましたが、いまだその原因は分かっていません。
ミツバチがいなくなればハチミツがなくなるだけはありません。
国連の報告によると、世界の食料の90%をまかなっている100種の作物のうち、多くのフルーツや野菜を含む実に70種以上がミツバチの授粉によって生育しているというのです。
つまり、ミツバチがいなくなれば、スーパーに並んでいる食べ物の半分はなくなってしまう。
世界中で飢饉のリスクがグッと上がり、生活から豊かさが奪われてしまう訳です。
そう考えると、一見ごく平凡な光景に見えるミツバチが花から花へ飛び回る姿も、単に植物の授粉の手助けしているだけでなく、花の隠れたエネルギーや霊的な可能性を開花させていくための、「最初のスイッチ」を入れているのだとも言えます。
今週のあなたもまた、そうした日常やいつも通りのやり取りの中で、自分が一体どんな可能性に携わっているのかということについて、いつもより深く、しっかりとした実感を持って感じとっていくことができるはず。
風が吹けば桶屋が儲かる
ルドルフ・シュタイナーはミツバチが飛び回る姿を「思考が飛んでいる」と表現しました。
今まで繋がるはずのなかった言葉やアイデア同士が、ミツバチによって交配されていき、やがて「思考都市」とさえ呼べるような、さまざまな価値観の多様性が維持されていく訳です。
もちろん、そこでミツバチには「繋げている」という意識など全くない。
同じように私たちもまた、新しい単語を知り、自分の人生と関係のあるものとして記憶するという一つの行為が、いずれ人生全体を変えてしまうほどのインパクトを持つことだってあり得るなどと、考えることはないはずです。
ただし今週は、いつもなら<勝手に><自然発生的に>やっている思考や言葉やイメージを自由に組み合わせるという作業の奥深い神秘について、一歩も二ほども自覚を深めていくことができますし、そこから自分の仕事のビジョンを得ていくこともあるでしょう。
今週のキーワード
最初のスイッチを押す仕事