おとめ座
こんがらがったものをほどいてく
そもそもの事態として
今週のおとめ座は、メルロ=ポンティの「絡みあい」のごとし。あるいは、触れるという行為のなかで必ずや触れられていくような星回り。
メルロ=ポンティが諸関係の集合としての身体性について論じた『見えるものと見えないもの』の「絡み合い」の章で、私たち人間は、ある意味で、先に誰かに働きかけられることなしには働きかけることはできないのだという旨を強調していました。
「われわれが語っている肉は物質(matter)ではない。それは見る身体への見えるものの巻きつきであり、触れる身体への触れうるものの巻きつきであって、それはとりわけ、身体が自分自身を見、事物を見、それに触れる自分自身に触れるときに明らかになるのだが、かくして同時的に、触れえるものとしてそれは事物のなかに降下するのだ」
そして、この一節に先立って次のようにも述べられています。
「それは二つの実体の結合ないし合成ではない。そうではなく、肉はそれ自体で思考可能なものである。ただしそのためには、見えるものとそれ自身との関連があって、それが私を貫き、私を見る者として構成しなければならないのだが、この循環は私が形成するものではなく、私を形成するものであって、このように見えるものが見る者に巻きつくこと(enroulement)が、私の身体と同様に他の諸身体をも貫き、それらを賦活するのだ。」
6月2日におとめ座から数えて「伴走者」を意味する7番目のうお座で下弦の月(意識の危機)を迎えていく今週のあなたもまた、自然と他の誰かと絡みあっていた運命に気が付いていくことができるかも知れません。
不自然と感じることをとりのぞく
パートナーシップであれ、友人づきあいであれ、「何が自然か」という基準で考えてしまうと、とたんに迷いが増えて、どこへ向かって誰の手をどんな風にとればいいのか、分からなくなってくるものです。
判断や選択に迷ってしまった時は、「どの選択がより自然か」を考えるよりも、「何がより不自然か」を問うこと。
その際、真実味を感じず、何かこころにザラリとした感触を残すものを極力避けて、生活の中から排除していくこと。そうしたものが一つ取り除かれるだけで、進むべき道筋もまたくっきりと浮かび上がってくるはずです。
今週はおとめ座にとって、正しい絡みあいを選択ができるようになるための訓練のひと時だと思って、ひとつひとつの分かれ道を丁寧に見定めていってください。
今週のキーワード
運命の赤い糸と青い糸と黒い糸と黄色い糸と緑の糸と灰色の糸と茶色の糸と