おとめ座
自分を掃除していく
野焼きと禊ぎ
今週のおとめ座は、「田の神を迎ふる道を野焼かな」(渡辺遊太)という句のごとし。あるいは、みずからを思いきり展開させていくための地ならしをしていくような星回り。
春先に野原の枯草を焼くことを「野焼き」と言います。草萌えをよくして害虫を駆除するため、昔の人は野に限らず畑や畦道までよく焼いたものでした。そうして残った灰が、新たなる実りの肥料となったのです。
古くなったものは必ず焼き払わなければならない。そしてそれは、個人においてはこれまで習慣化されてきた「負の連鎖」を白日の下にさらし、ここまで生き延びてきた中で背負わざるを得なかった“業のごときもの”を純化させてプロセスに他なりません。
つまり、象徴的な次元において、野焼きとははびこる生きづらさによって自身の可能性を潰さないよう救っていくために必要不可欠な手続きであり、地ならしなのだとも言えます。
20日(水)におとめ座で満月を迎え、過去と現在が不思議と交錯していく今週は、まさにあなたにとって「野焼き」を行っていくのにふさわしいタイミングと言えるでしょう。
肉体という名の庭を世話すること
本来、私たちが持ち得ている肉体というのは、人工的に再現しようとすれば1つの広大な工場が出来上がってしまうくらい、複雑な機構や働きがコンパクトに詰まっているのですが、私たちはそんな工場の生産性だけは享受しながらも、しばしばメンテナンスを忘れてしまいますね。
同様に、自然に関心を払うことは昔から人間の基本的な本能でしたが、都市に暮らし、車を乗り回し、1日中パソコンの前に座るようになってから、そうした本能はすっかり壊れてしまっているように思います。
それ以前の人類は、何を食べるか、それがどこにいるか、どのように生えるかについて常に考えながら生きていました。
農耕の始まりまで、人間は植物が見分けられなければならなかったし、おいしい食べ物と毒のあるものとを取り違えた者は、もし無事に生き延びることができた場合、同じ間違いを繰り返さないことを誓いながら、自分の経験を他の人にも伝えたことでしょう。
今週は、特に腸をケアすることを通して、生きようとする本能を再び呼び覚ましていくことがあなたにとって大事な課題となってくるはず。
今週のキーワード
ケガレを祓う