おうし座
謎を深める
割り切れない問題としてのわが人生
今週のおうし座は、「割り算でといてみなさい春の水」(三宅やよい)という句のごとし。あるいは、この世には自分には解けない問題がごまんとあるのだということを、割り切り受け入れていくような星回り。
いつまでも醒めない夢のような生暖かさを感じさせる「春の水」。これが「夏の水」や「冬の水」だと、逆に温かすぎたり冷たすぎたりして、すぐに「とけ」てしまいそうに思えるから不思議です。
そういう微細な感覚のもとで初めて、この世には「とけ」ない何かがあるのだということが腑に落ちてくる。
逆に、忙しすぎたり、自分自身の扱い方が雑になってくると、人間は割り切れる問題だけを目で追うようになり、結果としてひとりで空回ってしまったり、言動が上滑りしてしまう。
そういう意味では、この「春の水」とはまさに自分の人生そのもの。いまのあなたに必要なのは、それを奥深い問題として味わうだけの謎の感覚なのだと言えるかもしれません。
あえて割り切る
「春」といえば、女性としての旬や、そうした旬を価値に替えるという意の「春を売る」という慣用句としても用いられてきました。
興味深い話として、14世紀以前の日本では、遊女は「聖なるもの」、すなわち人の力をこえた神仏との結びつきをもった高貴な存在として社会の中で位置づけられてたそうです。
逆に言えば、神仏とのつながりを断たれた頃から、遊女は男の穢れをうける、穢れた存在となっていったのだと言えるかもしれません。
ある意味で遊女というのは、人の在り方の奥深さをもっとも思い知らせてくれるもののひとつなのでしょう。 今週は、丁か半かの賭けに出てみるのもいいでしょう。
今週のキーワード
いつまでも醒めない夢