おうし座
内発性に舵をきれ
計画倒れを楽しむ
今週のおうし座は、物忘れが進んだお年寄りのごとし。あるいは、理性や合理性に従うのではなく本能や直感にみずからを従わせていこうとするような星回り。
例えば、夜9時までには必ず入浴してくださいと伝えてあっても、物忘れが進んだお年寄りはこちらの設定した「納期」にはまず従ってくれませんし、言葉上であれ物理的にであれ圧力をかけて無理に従わせようすればするほど、抗いは強くなるばかりです。
ところが、「風呂に入れ」といくら言っても、ぜんぜん言うことを聞いてくれなかったお爺さんが、「そろそろ船がきますよ」というと浴室に入ってくれたりする。聞けば、そのお爺さんは若かりし頃、太平洋戦争の終戦を大陸で迎え、同胞と闇舟を手配して命からがら日本に戻ってこれた人で、「船がくる→水場に入る」という動きは、いわば本能に直結したものだったわけです。
同様に、19日におうし座から数えて「生き物としての本能」を意味する2番目のふたご座で満月を迎えていくところから始まった今週のあなたもまた、そうしたお年寄りと同じで、何事であれあまりビジネスライクに事を進めようとしてもなかなかうまくいかないでしょう。
ではどうすればいいかと言うと、むしろ計画倒れをいっそ楽しんでしまったり、もっと本能に直接訴えてくるようなことをきっかけに動いてみるといいかも知れません。
「みずから」と「おのずから」
計画倒れを楽しむ、ということは、それがやせ我慢などでなく、ごく「自然体」でなければまず意味はありませんが、この「自」という言葉には次の二つの意味が含まれています。
①みずから:自発的に、自分の意志で
②おのずから:自然発生的に、ひとりでに
これは、端的に①自発性と②内発性と言い換えてもいいかも知れません。自発性というのは結局、「そうすることでメリット(報酬)があるから」行われる際の原動力となっているもので、内発性は、そういう損得勘定のレベルでの自分の為を越えたところで、内側から湧いて出て来るもののことです。
ただし、ここで言いたいのは内発的であることがよいことで、自発的であるのが悪いこと、ということではなくて。つねに両者が綱引きしあいながら、みずからとおのずからの「あわい」のところでこそ、生命は成長し、みずからの生を謳歌していくということ。
ただ「ぼけ」というのは、あまりに「みずから」に寄り過ぎた反動で、半ば強制的に「おのずから」へと比重を移されていくということでもあるのかも知れません。改めて、今週はどうか自然体を大切に。
おうし座の今週のキーワード
自然と不自然のはざまで自然であろうとすること