おうし座
空白、そして真空
意味の破れに向けて
今週のおうし座は、マンションの隣りの空き部屋のごとし。あるいは、手垢のついた意味の衣で包まれてしまった身体感覚をもう一度<散乱>させていくような星回り。
たとえば、マンションの隣りの部屋がいつの間にか空き部屋になっていたことに気付いたとして。時間によって差し込む光がどういう風に変わっていくかとか、空中に舞うほこりの気配とか、ここではどう風が動いているか、どんな匂いがしているだろうかと、なんとなく想像しているときの、なんだかホッとするような感覚。
それでいて、これまでの生活から解放された空っぽの部屋が想像するごとに、妙に艶めかしいものに変わっていくような……。
あれは何なのだろうかと考えてみるに、習慣化された日常空間にポコッと空白ができることで、どこかでマンネリ化していた生の意味に破れが生じ、そこにいろんな感覚が触手を伸ばしていくうちに、生命力が生き返ってくるということなのかも知れません。
9月23日におうし座から数えて「調整とケア」を意味する6番目のてんびん座へ太陽が移る秋分を迎えていく今週のあなたもまた、ある種のディスコミュニケーションのなかで感覚を研ぎ澄ませていくことがテーマとなっていくでしょう。
目に見えない真空を感じる
触覚であれ嗅覚であれ聴覚であれ、特定の感覚が生き返って充実していくためには、どうしてもある種の静寂や「間(ま)」が必要となってくるものです。
そして、それが真空空間のように、こちらをそっと引き寄せてくれる。もしそういう手招きを経ず、脳が発動させた意志に基づいて勝手にずかずかと押し入っていったならば、大抵それは時期尚早であったり、シャットアウトされてしまうことでしょう。
ただ、現代人はこうした真空の感覚さえも、なんとなく淋しげであるとか、孤立していると感じてやたらと避けたがります。
その意味で、今週のおうし座の課題は、みずから進んで静寂の中に身を浸していくことに他ならないのだと言えるでしょう。
おうし座の今週のキーワード
ただただシーンとしていること