おうし座
自分で決めた道をゆく
こちらは6月21日週の占いです。6月28日週の占いは諸事情により公開を遅らせていただきます。申し訳ございません。
逸脱もまた道
今週のおうし座は、「緑濃しどうやら道が違ふらし」(奥名春江)という句のごとし。あるいは、道草や回り道こそ楽しんでいこうとするような星回り。
「緑濃し」と「違ふらし」の音の響きあいが楽しい一句。「新緑」は初夏の季語ですが、単に「緑」だと夏たけてくる頃の木々の葉の様子のことを表します。
梅雨の晴れ間に、気持ちがよくなってすっかり繁った青葉を感じながら道を歩いていたら、どうも見知ったルートを逸れてしまったのか、それとも目的地の家やお店をとうに過ぎてしまったのか、とにかく「道が違ふ」ことに気付いたのでしょう。
けれど、おそらく道を違えたかったのではないか。いつの間にか緑がうっかり濃くなっていたように、自分もまたみずからを想定外のところへと突き動かしてくれる何かに身を委ねてみたかった。
それがもののはずみであれ、確信犯的な行動であれ、たくましい妄想であれ、仕事への情熱であれ、自分が何かに生かされているという証しとなれば、何だっていいのです。
そういう自分でいられることこそが、きっとほかの何よりもあなたが通るべき「道」なのでしょうから。
25日におうし座から数えて「逸脱と脱線」を意味する9番目のやぎ座で満月を迎えていく今週のあなたもまた、そうした「もののはずみ」や「ふと」、「たまたま」の訪れをこそ大いに感じ取っていきたいところです。
分かれ道をゆく作法
昔から、分かれ道に大きな樹が一本生えている三叉路が好きでした。夜にそこを通ると、昼間とはまったく別人のように暗い影を落としていて、こちらの心を試し、迷わせるのです。そこでどちらの道をゆくかを勘だけで決めるのですが、何度かやっていると、たまに「あ、こっちで正解だった」と妙に確かな手ごたえを感じることがあるのです(散歩なので、本来ならばべつに決まった正解などありません)。
おそらく、それは雰囲気に流されないで、自分の体調や気分にマッチした方の道を選べたということなのだと思います。考えてみれば、私たち日本人というのは、純粋に自分のことだけに集中して何かを選択をするということがほとんどできてないか、たまに出来たとしても苦手としているように思います。
ですが、今週のおうし座の人たちは、できる限り人の顔色をうかがうのではなく、ただ自分の身体や感情と対話しつつ、歩くべき道すじを自分なりに選んでみてください。
おうし座の今週のキーワード
他者は、結局のところ私をどうすることもできない