おうし座
聖なる瞬間
あ!
今週のおうし座は、「髪洗ふシャワーカーテン隔て尿(ゆま)る」(榮猿丸)という句のごとし。あるいは、どこにでも転がっている日常を映画のワンシーンへと昇華させていくような星回り。
初夏が近づき、ますます明るくなってきた朝の日差しが差し込む、とある部屋のユニットバスで。一人が髪を洗っている横で、もう一人がおしっこをしている。
おそらく、おしっこをしている音も聞こえるし、シャワーを浴びているその姿もシルエット越しに透けて見えているはず。
また「髪洗ふ/洗ひ髪」は夏の季語だが、その後の向こうには汗や体臭などがどうしても想像され、さらに字余りの「隔て尿る」で抑えきれない存在感が読み手側にも溢れ出てくる。
描かれている情景そのものはごくありきたりな二人暮らしの日常なのに、切り取り方や言葉のつむぎ方次第でこんなにも詩的で、エロティックな空間が立ち上がってくるのかと、新鮮な気分にさせてくれる一句。
27日におうし座から数えて「訴求」を意味する7番目のさそり座で満月を迎えていく今週のあなたもまた、ただありのままに目の前の現実を眺めているのではなく、それをより望ましい形へと切り出していくことがテーマとなっていくだろう。
めぐりあうもの
もしあなたが、‟それらしきもの”の候補とまがりなりにも向かい合う機会があったなら、その時は次の一節によく心に留めておくといいかも知れません。
人生の師は子ども、末期患者、掃除婦などあらゆるかたちをとって目の前にあらわれる。だれかを助けるということに限り、世のいかなる学説や科学も他者に対して、こころを開くことを恐れないひとりの人間の力にはかなわない。(『人生は廻る輪のように』、E・キューブラーロス)
おそらく、あなたがもっともこころを開ける相手やそんな状況こそ、「聖なる」という形容詞にもっともふさわしいものなのではないでしょうか。
そしてそういう相手や状況というのは、自分から見つけようとか、振り向かせようとする形ではなく、必ず「めぐりあう」ようにして、相対していくことになるものであるはず。
そして、あなたができうる最大の準備は、その時を待ち望み、決して逃さないとこころに決めておくことでしょう。
今週のキーワード
第一感―「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい