おうし座
スサビとアソビ
まずスサビ
今週のおうし座は、荒ぶる台風の中心に入っていくよう。あるいは、スサノオ的なエネルギーに触れていくこと。
「荒ぶる」という言葉は古い日本語では「荒ぶ(すさぶ)」といい、もともとは自然が荒れ狂っているさまを表していたのが、平安時代には「口ずさみ」や「手すさび」という用法の中で、「荒れるスサビ」から「遊ぶスサビ」へと変化していきました。
この変遷は文化史的にも非常に重要ですが、5月18日(土)におうし座の守護星である金星がその天王星と重なっていくことで、3月に天王星がおうし座入りしてからの流れが1つの節目を迎えていく今のあなたにとって、遊び(アソビ)の背景には必ず荒び(スサビ)の感覚が根底に流れているというこの一点だけでも大きなヒントとなっていくのではないでしょうか。
例えば、庭に植えた覚えのない草や花が勝手に生えてきたとか、猫が障子が破ってしまったとか、そうしたスサビのある光景や行為こそが文化的なアソビを誘発していくのであり、少なくともそうした事態に風情を感じたり好感が持つ感覚が花鳥風月的な日本文化の根底にはあるのです。
どうも今週は、直面している事態の本質へスッと飛び込んでいくような、そんな動きが出てきやすいように思います。
ステップを踏んでいく
感性だけが雪崩のように先行し、ひたすら行動あるのみで、いちいちなぜそうしたのかを誰かに分かりやすく説明する必要などない、と。特に若い頃などはそう思いがちかもしれません。
というのも、後から振り返ってみたときに「本当によかったな」と思えることというのは、大抵できそうもないと言われたことを何も考えずやってみた時とか、みんなに呆れられ物知り顔で説教されつつも、好きなことをやり通してみた時だったりするから。
つまり、身体ごと前のめりで行動できた時なのです。これは先の言葉で言えばスサビに当たりましょう。
ただし、長く生きたり、やってみたいことのスケールが大きくなるにつれ、ただそうした前のめり行動の一本やりでは貫き通せない壁というものが必ず出てきます。
自分がしてきた行動を言葉にしたり、それを人に伝える努力をしていく中で、はっとするものが必ずある。そういう豊かさに気付いたとき、人としてひとつ洗練されていく。いわば、これこそがアソビなのかもしれません。
そんなステップを、今週あなたはきっと踏んでいくことができるだろうと、そんな風に感じました。
今週のキーワード
花鳥風月の根本