おうし座
楽しく酒を飲むために
良寛さんのように
今週のおうし座は、「良寛の酒の礼状ほととぎす」(渡辺文雄)という句のごとし。すなわち、人にネタにされることを厭わず、楽しませていくことで、自分も満たされていくような星回り。
良寛さんは江戸時代の僧侶であり、歌人であり、何よりも大の酒好きであったそうです。その証拠に、遺された手紙類の中には多くの喜捨(恵み)への礼状が含まれています。
その中でも酒の礼状が最も多かったのだとか。それだけ、彼のことを慕う多くの人と、身分の区別なく酒を酌み交わしていたのでしょう。
「ほととぎす」と言えば夏の代名詞であり、その初声が聞けることは幸運の象徴とされていました。
冒頭の句も、そんなほととぎすの鳴き声と同じくらい、良寛さんからの礼状はありがたいものであったということが前提で作られています。
しかし、仏教には「不飲酒戒」といって原則お酒を飲んではいけない決まりがあったはずです。
おそらく、良寛さん自身は酒を飲むことが自分の求道(仏道の探求)の妨げになるとは露とも思っていなかったのでしょうし、そんな人としての大きさこそが広く庶民に愛された理由なのかも知れません。
今週のあなたもまた、自分の非が責められることを恐れるよりも、自分を酒の肴にしてでも周囲の人を楽しませ、共に笑いあえる関係を築いていくことができるかどうかが、問われていくように思います。
無邪気は天に通ず
自分のしたことが誰かの役に立ったりするのは、そういう行為自体が「楽しくて仕方がない」場合に限られます。
良寛さんはその点、子供と遊ぶにしても、歌を詠むにしても、酒を飲むにしても、心から楽しむことができていたからこそ、執着せずにいられたのでしょう。
逆に自分が無邪気に楽しめていないのなら、どんなに立派で評価されるような行いも、コインの裏表のようにひっくり返って、誰の為にもならないお荷物に変わってしまうでしょう。
あなたが笑えば、世界もいっしょに笑う!
そのとき自然と人生の道筋は先へと延びていく。そんなことを実感できる今週でありますように。
今週のキーワード
物々交換