さそり座
いのちの洗濯
かたまりからほとばしりへ
今週のさそり座は、「柚子風呂にひたす五体の蝶番」(川崎展宏)という句のごとし。あるいは、ここのところ自分が巻き込まれていた体験に対して、じんわりと静かな理解を得ていくような星回り。
「蝶番(ちょうつがい)」とは扉を柱につけるための金具に蝶の羽に喩えて付けられた名前のことですが、この場合は、人間のあらゆる動作のバランスをとっている5つの腰椎を指しているのでしょう。
それらの動きがぎこちなくなると、からだも固くなってきて、ギイギイと音が鳴る扉のように生き方や人間関係までガタがくる訳です。
冬至の柚子湯につかるのも、考えてみればそうしてサビ付いた蝶番に油をさしていくようなものかも知れない。
ゆっくりお風呂に入って足腰をのばし、ガチガチに固まった肩を引きはがしていると、ああ、あの時自分は本当はこう思っていたんだな、嬉しかったんだ、悲しかったんだ、怒っていたんだと、気が付いてくる。
そういう厄介ごとに真正面から大真面目に取っ組み合いをしてしまうのが、さそり座の人たちの因果なサガでもあるんだな。
26日(木)にさそり座から数えて「よみがえり」を意味する3番目のやぎ座で日食新月を迎えていく今週は、ひとつそんな因果をゆるゆるとほどいていくことが大事なテーマとなっていくはず。
しょうもない自分をゆるそう
今週のテーマはある意味で「パラノ(固執)」から「スキゾ(逃走)」へ、過去や人から受けた恩や結んだ縁にこだわってふんばる態度から、それらをさっと水に流す行為へとシフトしていくこととも言い換えられるかも知れません。
特に、気合いで何とかするとか、頑張ればぜったいに結果につながる、なんてマンガ的精神論は即刻捨ててしまいましょう。
あるいはもし、今あなたが抱えている利益や立場を大事に感じていて、現状のパターンややり方に安住しようとしているなら、そのパターンによって得られる安定安全の虚構性をいま一度疑ってみる必要がありそうです。
脳というのは絶えず誤作動を起こしているもの。いったん対象と距離をとって、身体に滋養を与えていくことで、冷静さと十分な体力を取り戻していきましょう。
今週のキーワード
欲望の浄化期間