さそり座
繋がりの再発見
詰まった自分を解放していく
今週のさそり座は、「春宵のやっと手ぶらとなる時間」(日隈恵里)という句のごとし。あるいは、穏やかな夕闇の中で、何か誰かと溶け合っていくような星回り。
昼の光の下で街中を歩いていると、不意になんとなく「頑張らなくちゃ」と思わされて世界が急に窮屈に感じられてくることがある。
そんな時は、こんなおかしなことを感じているのは自分だけかもしれないと妙な疎外感にとらわれてしまったりするが、掲句にはそうした窮屈さや疎外感をそっと和らげてくれるような“ゆるみ”がある。
これは例えば、昼のオフィス街でたまたま学生時代の旧友に出くわした時の感覚にも近いかもしれないし、無理をして「気張る」ことでくたびれていた身体がくっと伸びをしてほぐれていく際の解放感とも置き換えられるでしょう。
黄昏のことを昔は「誰そ彼」などと書いたりもしましたが、そこにあるのは誰だか分からない怖さや警戒心というより、輪郭が定かではない薄暗がりの雑踏で、自分以外の誰かと溶けあっていくゆるみの感覚や一体感だったはず。
さそり座での満月を19日(日)に迎えた後の今週は、そんな「ゆるみ」の感覚を得やすい場や状況に身を置いていくことで、あなたもまた長らく気張っていた文脈から解放されていきそうです。
ずっとそこにあったように
少なくとも今週は、なにか未知の領域から未来の恋人や新規の興奮材料を探そうとするのは避けるといいでしょう。
むしろごく普通の物事や、ずっとそこにあったように佇んでいる自然、ありふれた日常の中にこそ、インスピレーションや情熱の源泉は潜んでいるのだということを意識していくこと。
あるいは、みずからの孤独や過去を改めてふり返り、くぐり直していくことを通じて、さながら旧友との再会を楽しむように、心を開ける相手やそんな相手に向き合う喜びは見出されていくのだとも言えます。
今週のキーワード
聖なる集い