いて座
他力にあずかる
引き立ててもらうこと
今週のいて座は、「ぎんなんのさみどりふたつ消さず酌む」(堀葦男)という句のごとし。あるいは、自分の良さを引き立ててくれる優れた参謀役を見出していくような星回り。
銀杏で一杯やっていたら、その実があんまり綺麗だったので、最後のふたつは残しておいて、今度はそれをさかなにして飲むことにしたのでしょう。
こうなるとその場の主役は、酒に代わって普段は脇役の銀杏へと移っていきますが、ある意味でこれと同じことが今あなたの身の周りで起こりつつあるのだと言えるのでしょう。
橋龍吾が、
「あの三流の付き人は、
一流の役者の巧妙な芝居かも知れない。」
という短い詩文に「天職」というタイトルをつけたように、脇役で誰かを支えてこそ光るタイプの人間がこの世にはたくさんいるのです。
それはある意味で奔放で野放図な、いて座のあなたとは全く異なるタイプの人間と言えるでしょう。今週は、そうした相手にこそ敬意をもって自分から接近していくことです。
わらしべ長者
あなたは今、少しずつ新たな社会的アイデンティティーの輪郭が見えてきている一方で、自分の望みを達成するためには、決定的な誰かの手助けやアドバイスが必要だという現実を前にして、どうしていいか分からなくなっているのではないですか。
こうした状況で、ひとりでもがき続けていても何も解決はしません。近くにいて、手を貸せ、頼ってもらえる人(あるいはその逆)を共犯関係に巻き込んで、抜き差しならない状況をつくることで、ピンチがチャンスへ変わっていく瞬間を待つことです。
例えば「わらしべ長者」では、観音様からの「初めに触ったものを、大事に持って旅に出ろ」というお告げを信じて旅に出て、人の手を借りつつ、次々と交換を繰り返していった結果、ついには大きな屋敷を手に入れました。
自分の手に入れたいものが何なのか、そしてそれを手に入れるために何を必要としているのか、改めて見つめ直してみるといいでしょう。
今週のキーワード
自力と他力