いて座
連携と和合
早春の「はかりごと」
今週のいて座は、『下萌や石をうごかすはかりごと』(高浜虚子)という句のごとし。あるいは、二物配合の妙をみずからも体現していこうとするような星回り。
春になり、草が萌える。「下萌え」という春の季語は、人間の視線を単に大地の表面だけでなく、そこに胎動しつつある潜在的な力や、その動きの向かう先へとおのずと想像力を運んでいきます。
「はかりごと」と言っても、大それたことを自分の分を弁えずにやたらと口にしている訳ではなく、あくまで庭に置かれた石をかすかに動かすくらいの算段だというところにも、無理のない自然な、それでいて着実な事の運び方の妙が感じられます。
また、この句は形の上では、「下萌え」と「石」の二物配合ですが、この二物の距離感はきわめて近く、読者としても頭の中で映像化しやすい設計になっていますが、これも今のいて座の人たちにとっては、ある種のロールモデルとなっていくのではないでしょうか。
自分と相性がいいものや相手と、着実に連携をとっていくこと。それでいて、その場限りの、打算的な動きに終始するのではなく、できるだけそれらの連携的な動きの全体を大きく包むような生命感にみちた想像力を働かせていくこと。
2月10日にいて座から数えて「コミュニケーション」を意味する3番目のみずがめ座で新月を迎えていく今週のあなたもまた、そうした早春の自然の動きにみずからを近づけていくことがテーマとなっていきそうです。
和合への感性
別の言葉に置き換えれば、今週のいて座は伝統的に「六芒星」に象徴されるような和合への感性をいかに磨いていけるか、ということがテーマなのだとも言えるかも知れません。
この6という数字は、<1+2+3>であると同時に、<1×2×3>でもあり、最初の完全数として美の象徴とされ、現代ではテクノロジーの世界で空気清浄機のフィルターや新幹線の床材に使われるハニカム構造としても活用されています。
日本では六角形と言えばまず亀の甲羅であり、出雲大社の亀甲紋が知られていますが、伊勢神宮の伊雑宮の神紋でもあります。いずれも、陰と陽とが合わさった“ちょうどいい状態”と理解しておくといいでしょう。
うまくそうした感覚を研ぎすませておくことができれば、あなたは機を見るに敏、どこかこれまでとは異なる新しいスタートをきる感覚を掴んでいくことができるはず。
あるいは、偶然のゆらぎの中でどう動くべきか、またどこに関しては触れずにいるべきかが直感のような形で自然と浮かんでくることもあるでしょう。できるだけ、美しいものや、おめでたいこと、ちょうどいい状態、そういうものに着目してみるといいでしょう。
いて座の今週のキーワード
陰と陽とが合わさった“ちょうどいい状態”