いて座
人生の句読点
こちらは8月16日週の占いです。8月23日週の占いは諸事情により公開を遅らせていただきます。申し訳ございません。
切断と余白
今週のいて座は、「VACANCY」と書かれた看板のごとし。あるいは、そのままでは一直線に進んでいってしまう時間の流れに、句読点を打っていくような星回り。
日本語に直せば、「空き部屋あります」だろうか。いや、厳密には「空き部屋あり」くらいのどこか人を突き放したような素っ気なさが肝心なのかも知れない。
すっかり薄暗くなった路上で目にするモーテルのこの表示が、一日の移動に終止符を打たせる。目的地を定めない、気まぐれな移動のさなかにあって、その日その日の安堵を得られるのも、この表示のおかげなのだ。
多くの旅人は、そうやって移動してきた。そしてきっといて座にとっての人生の移動も、その途上に「VACANCY」のサインを偶然みかけることで、予想だにしなかった展開を見せることがしばしばだったはず。
どこに、いつ、空き室を探し当てたのか。そこに、祖国から離散したあらゆる旅人たちの、単独性の根拠があり、また、それが物語の乗り換え拠点にもなっていったのではないか。
16日にいて座から数えて「人生の余白部分」を意味する12番目の星座であるさそり座で上弦の月を迎えていくあなたもまた、自分がハマりこんでいる文脈や物語を適切なところで切断していくべし。
「断」の一字
「断じて行えば鬼神もこれを避く」ということわざがあります。物事は断固として行えば、できないことはないという旨ですが、今の世の中には、この「断」の一字が欠けているのではないでしょうか。
現代のような激しい情報化社会ではスマホやSNSを通して一日に摂取する情報量が格段に増えてしまったために、頭ばかりに気がのぼって常態的に体が興奮状態にあり、四股や腹へと十分に気が降りていかなくなっている人が非常に多くなっており、いたずらにだらだらと続く自己紹介文のような物語を生きている人も増えているように感じます。
「腹を決める」という慣用句もあるように、決断や決心というのは頭ではなく、腹でするものなのですが、他人であれ、自分の行動であれ、今の時代、みな腹の底から何をどう信じていいのか分からなくなっているのだとも言えるかも知れません。
その意味で、今週のいて座もまた、頭の中ではなくて腹の具合にこそ注意をむけ、いつも以上にそこで気を練って「断」を行っていくつもりで過ごしていきたいところ。うまくいけば、おのずと今の自分に必要な決心や決断が為されていくはずです。
いて座の今週のキーワード
軽く動いて重く止まる