いて座
重心を低める
世阿弥の革命
今週のいて座は、「稽古は強かれ、情識は無けれ」という世阿弥の言葉のごとし。あるいは、気を引き締めて自分の軸や体幹の動きを再確認していくような星回り。
指し示す内容は極めてシンプルで、稽古も舞台もきびしい態度でつとめて、決して慢心してはならない、という意味。
世阿弥はこの芸能論を打ち出すことで、芸能というものを、人生をかけて完成させていく親方仕事に変えてしまい、それは日本芸能史にとって革命的な事件でもありましたが、それに近い区切り目を今のあなたも迎えていこうとしているのだと言えます。
12月3日に木星がいて座からやぎ座へと移動してから、いて座の人たちにとってはこの1年に広げた活動や、そこで受け取っってきた恵みを改めて確認したり、整理していくような棚卸しモードな日々が続いてきたかと思います。
それも今週26日(木)にやぎ座で起こる日食新月を前後して完全に切り替わっていくでしょう。
結局、あなたは何を軸に据え、どんな目標を掲げ、どこへ向かって進んでいこうとしているのか。
いったん腹をくくったならば、あとは地味な努力をひたすらに続けていくべし。今週はそうして襟をただすようなつもりで過ごしていきたいところです。
清水選手の場合
清水宏保選手と言えば、長野五輪で低身長ながら金メダルを獲得したかつてのスピードスケートのトップ選手であり、その持ち味は幼少時代から鍛え上げた筋肉をいかし、沈み込むような低い姿勢からスタートを切る「ロケットスタート」でした。
他の選手より低い重心からスタートし、しかも重心を上げずに滑ることで、体格差をものともしないスピードが生まれたのです。
この、「可能な限り低いところに自分の重心を置く」というのは、とっさにやろうと思ってもなかなかできませんし、肉体的なものと精神的なものの両方の鍛錬が必要とされます。
なんだかんだ、人は自分を大きく見せようとするものですし、目標と言われれば高く掲げるものと相場は決まっていますし、そういうところから力強く伸び上がっていくためには気の遠くなるような日々の訓練が求められるのです。
止まれ、今週はまず、どれだけ自分を低められるか(卑下するのではなく)、余計な抵抗(実質的でない理想)を減らしていけるかということがあなたのテーマとなってくるでしょう。
今週のキーワード
理想を崩して現実を見据える