いて座
夢見る権利
ケプラーの場合
今週のいて座は、さながらケプラーのごとき大きな夢の追求者のよう。すなわち、縦横呑吐の想像世界をつくらんとしていくような星回り。
かつてマーク・トゥエインは「あなたの大きな夢を萎えさせるような人間には近づくな。たいしたことない人間ほど人の夢にケチをつけたがるものだ。」と述べましたが、今の日本社会はどこもかしこもケチをつけて回る人間ばかり。
ですが、歴史を振り返れば、時にどんなケチも近づけさせないくらい「大きな夢」を作り出してしまった数々の巨人たちを、私たちは目の当たりにすることができる訳で、例えばその内の1人にはケプラーの名が挙げられるでしょう。
科学革命期のドイツの偉大な天文学者であり、惑星運動の三法則の発見者である彼の名を知らない人はほとんどいません。
そもそも彼の性格は、今日の人が想像するような厳格な合理主義者というよりも、ピタゴラスの天界音楽調和説やプラトンの正多面体のイデアを追慕し、それらに基づいて宇宙を説明しきってやろうなどと大それた望みを抱いた夢想者のそれでした。
17日(月)のいて座満月から始まる今週は、人生で陥りがちな「平凡な当然さ」を打ち破って、精神的な高みを目指すこと、それを決意すること。それがあなたのテーマとなっていくのだと言えるでしょう。
フラーの場合
発明家であり思想家のフラーもまた「巨人」のひとりに挙げられますが、1963年に発表した著書の中で、彼は次のような主張をしていました。
「(私たちの失敗の)最も重要な要因のひとつは、専門分化が包括的な思考を妨げることに気づきもせず、この社会が、専門化こそ成功の鍵だと考えていることだろう。(中略)大学はすべて、ますます細かく専門分化するように組織化されてきた。(中略)(しかしながら)すべてを理解し、すべてを統合しようとする欲求。人の生の輝きとして、それ以上のものがあるだろうか?」(『宇宙船地球号操縦マニュアル』)
こうした問いかけは、今週のいて座にとってとても重要な指針となってくるはず。
ある特定のジャンルや業務内容、ポジションに特化した専門バカは、たしかに専門家として世間という荒波の中で生存を勝ち得ていると言えますが、より広い世界における自分が占める立ち位置を正確にはしりません。
狭隘で偏屈な専門バカでいるよりも、ツッコミどころは数あれど誰かを救う可能性を秘めた大きな夢を語れるジェネラリストであれ。今週のいて座に捧げる言葉はそこに尽きるでしょう。
今週のキーワード
包括的思考