うお座
言葉とユーモア
イメージと言語化
今週のうお座は、「夜の巨人ぎしぎしと渡河厚氷」(依田明倫)という句のごとし。あるいは、自分が向き合うべきものをきちんと言語化していく訓練を積んでいくような星回り。
作者は北海道出身。今の季節とは正反対だが、秋が過ぎて「厚氷(あつごおり)」が押し寄せてくる本格的な厳冬の到来を予感して詠まれた句だろう。それにしても、「夜の巨人」とは、冬が擬人化された姿だろうか、それとも闇夜そのものが巨人であるような気もしてくる。
おぼろげな予感にとどまっている限りでは、それは膨張し続け、心休まる時さえ与えてくれないほどの怪物となっていたかもしれない。現に、北海道の冬というのはそれだけ厳しいもののはずだ。
しかし、いったんこうして的確な言葉に置き換えてみれば、どこか可愛らしく思えてきて、愛着まで湧いてしまうのが人間というもの。
今週のあなたもまた、なんとなく心に巣食っている不安や心許なさの実体を一度言葉にしていくといいでしょう。まるで霧が晴れたかのような、爽やかな心持ちになれるかもしれません。
よく年を重ねるために
私たちは1年ごとに確実に年をとっていきます。ただし、自分が30代、40代と大台にのっていくと、いい意味で年齢の数だけ「老いる」というのはそんなに簡単なことではないのだと、だんだん分かってきます。
老いるには、深い経験と洞察から汲み上げられた豊かなユーモアが必要なのです。
それはそこはかとない不安や、やり場のない怒り、それらその時々の負の感情を誤魔化したりせず、孤独な時間の中できちんと自覚し、引き受けていく中で、自然と身についてくるもの。
いわば、自分のそばにもうひとりの自分として寄り添ってあげられたかどうかの指標となるものとも言えるかもしれません。
今週は自分の心の奥をまっすぐに見つめ、言葉を通してユーモアを取り出してくれるようよく努めてみてください。
今週のうお座へのキーワード
老い方を学ぶ