うお座
ゆっくり、ゆさゆさ歩いてみる
祭りじゃ祭りじゃ
今週のうお座は、お神輿を担いでいる人たちのごとし。あるいは、だれか何かをの力を借りて邪気をはらい、エネルギーを自然に高めていこうとするような星回り。
最近、外国人観光客向けにお神輿のことを「持ち運び可能な神社」と説明することが多いのだそうです。お祭りでは複数の人間で神輿を激しく振り動かしますが、これは神の霊威を高め、豊作や大漁を願うためのものでした。
ただもともと、神は豊作や大漁をもたらすだけでなく、神は祟り(天変地異)を起こすものとも考えられていましたから、神輿をかついで町内を練り歩く行為は、町を鎮める力を高める意図も込められていたそうです。
最初は、呼吸を合わせるためのちょっとした掛け声だったものに、だんだんと記憶や感情が乗せられ、畳みかけるように何度も執拗に繰り返されていくなかで、リズムをはらみ、ちっぽけな個という枠組みを超えて大きなひとつの力のうねりとなり、そのうねりが広がっていく時、秘められていたパワーが自然と増幅されていく。
19日にうお座から数えて「サバイバル術としての移動」を意味する3番目のおうし座で満月を迎えていく今週のあなたもまた、すこし弱っている自分に必要な「魂の振り動かし」をみずからに与えていくことがテーマとなっていくでしょう。
歩く速度を落とす
昔の人はとにかくよく歩いたと言います。個人的にも、子供の頃に親戚のおばさんの家へ遊びに行った際、ちょっとそこまで花火を見に行こうと言われ気軽な気持ちで付いていったら、なんだかんだと2つの山を越えさせられて、花火を見る頃にはすっかりくたくたになってしまった思い出があります。
おそらく、地図の上で考えれば、実際そんなに大した距離ではありませんでした。ただ、子供の頃の自分にとってはとてつもない旅であり、山を越えるたびに世界がどんどん変わっていったのをよく覚えています。それはおそらく、場所から場所への距離感は同じでも、高速移動やハイスピードに慣れ、電車やバスや自動車の速度で物事を感じたり考えたりするのが当たり前になってしまった現代人には見えてこない風景なのでしょう。
今週のうお座は、タクシーや電車に慣れ親しみがちな私たちにとって、徒歩には徒歩なりの思考のスピード感があるのだということを、どうか思い出してみて下さい。
そして普段よりもゆっくりと思考の流れや連続性を感じてみることで、「迅速性」や「効率」といった都市的な価値観からこぼれ落ちていたものが実感されてくるはず。
うお座の今週のキーワード
歩く姿勢の美しさ