うお座
日陰の花
こちらは7月19日週の占いです。7月26日週の占いは諸事情により公開を遅らせていただきます。申し訳ございません。
花のあはれ
今週のうお座は、「向日葵にとりどりの花のあはれかな」(杉本禾人)という句のごとし。あるいは、人が目を向けない美しさにこそ目を向けていこうとするような星回り。
庭の花園に種々雑多な夏草の花が咲いているけれど、その中で王者のごとく突っ立っているのはいちばん大きな向日葵(ひまわり)で、その他の夏草はどこか気圧されているように咲いている。
ただし、作者はその向日葵の王者のごときには興味を抱かず、その下にあるところの他のくさぐさの花の方に感じるものがあったのでしょう。
もちろんくさぐさの花と言っても、それぞれ異なる花の特色を備えて、おのおの姿態をつくしている訳で、それがなかなかにあわれげに見えたのかも知れません。
そして恐らくそれは、作者がまだ幼い頃に孤児となり、その姉にあたる人はさらに苦しい立場に身を置いていたという、きわめて不遇な境遇にあったということも大きく影響していたはずです。
24日にうお座から数えて「日陰の領域」を意味する12番目のみずがめ座で満月を迎えていく今週のあなたもまた、かりそめの栄華よりも自己の安んずるところをこそ大切にしていくべし。
ちょうどいい時に気配をさとる
ただ、いわゆる「日陰の領域」に目を向けるには、それに相応しいタイミングというものがあります。
例えば、誰もが目を向けない方へパッと顔を向けるにしても、誰かに言われてそのまま向けるのではダメですし、「残り物に福がある」みたいなよこしまな考えを持ってあからさまに探しにいくというのも持っての他でしょう。
さながらギリシャ語で「たましい」という意味ももつ「蝶(プシュケー)」をつかまえる時にも、正面から追いかけるのではなく、背中で気配をさとった瞬間に振りかえって、つまり、常識や理性に絡めとられる前につかまえるように、現実の網目からするすると逃れたところに咲く日陰の花を愛でるのにもそれなりの“コツ”があるのです。
今週のうお座もまた、人生の表舞台ではなくその裏にそっと転がっている小さなしあわせや、かすかな喜びを丁寧に拾い上げていくことがテーマとなっていくでしょう。
うお座の今週のキーワード
うしろの正面だーれだ?