うお座
歴史をつむぐ
こちらは6月14日週の占いです。6月21日週の占いは諸事情により公開を遅らせていただきます。申し訳ございません。
地に足をつけるために
今週のうお座は、さながら郷土史研究家のごとし。あるいは、ふと自分を立ち止まらせるための歴史を紡いでいこうとするような星回り。
SNS時代の本格的な始まりとも言える2010年代を経て、今やますます歴史的な構築が嫌われる傾向が強くなっているように感じます。
例えばTwitterは、従来なら直接アクセスするための相当な手間や努力を経なければ出会えなかったような、思いがけない相手や話題との横断的なつながりを容易くしましたが、一方で、アーカイブ機能がないために、あらゆるものが瞬時に忘却されては、あらたな話題や人物が登場して、というサイクルを繰り返していきます。
そして、そこで自身のツイートのいいねやRTの数に一喜一憂したり、タイムラインを埋める話題のランダム性によってその時の気分が振り回されていき、結果的に、ますます快楽報酬の輪をまわすスピードをあげていくことになる。
そうした脳を消費や快楽へと駆り立てる輪の回転をとめ、自身のリアリティを等身大の身体性へと繋ぎとめていくためには、立ち止まるための歴史が必要なのではないでしょうか。
18日にうお座から数えて「自分なりの手応え」を意味する7番目のおとめ座で上弦の月を迎えていく今週のあなたもまた、何かを主張したり、関係したり、対話をしたりしていくための「場」を少しでも深く、広げていくための時間をつくっていきたいところです。
風土の作られ方
何となく「消費」されているといった気分を解消したり、搾取されている構造に対抗していくためには、自身が実際にそこで生き、また暮らしている、その土地固有の歴史軸をしっかりと紡いだ上で、異なる評価軸を自分なりに立ち上げていくことが重要だ、という風にも考えられます。
ガイドマップや情報誌のようなトレンドやグルメ、レジャーやデート向けの情報では、歴史は蓄積されませんから、例えば同じ通りの同じ一角がどんな風に変遷してきたのか、またその変わり目に何が起きていたのか、といったことを調べていかなければなりません。
それはとても地味な作業だったり、時には徒労に終わるような無駄もある訳ですが、世間からは忘れられた記憶をたんねんにたどっていく中で初めて、その土地の固有性や土地の匂いのようなものが立ち上がってくるのです。
そうした、狭い土地のなかで蓄積されてきた文脈や醸成された匂いに対し、そこを旅人のように土地から土地へと横断していく働きが加わってきたところに、それぞれの土地の「風土」というものの比較が可能となっていく訳です。
今週のうお座は、自分が根差している土地や暮らしの場とはどこなのかということを、改めて問い直してみるところから始めてみるといいかも知れません。
うお座の今週のキーワード
手始めとしての自分史