うお座
巧妙に、熱心に待ち伏せること
※当初の内容に誤りがありましたので、修正を行いました。ご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。(2021年1月25日追記)
一度水にくぐらせる
今週のうお座は、「sleep it over(一晩寝て考える)」という成句のごとし。あるいは、着想の種子をきちんと寝かせて“待ち伏せ”していくような星回り。
これは発見とか創造とか大それたことでなくても、深夜に何事か思い悩んだとき、そのまま無理に結論を出すのではなく、一晩寝て朝起きてから得られる考えの方が結果的に優れていることが多いことを生活の知恵でとらえた言葉なのでしょう。
例えば、史上最大級の大数学者のひとりとされるガウスがある発見の記録の表紙に「1835年1月23日、朝7時、起床前に発見」と書き入れたように、確かに着想のあらわれ方の“くせ”を知っている歴史上の天才たちもまた、こうした“待ち伏せ”を成功させてきたものです。
『知的創造のヒント』を書いた外山滋比古さんもまた、「どうも考えは一度水にくぐってくる必要があるように思われる」とか、「“しばらく忘れるともなく忘れている”と、おそらく無意識のうちに熟していたであろう考えが突然踊り出る」などと書いていましたが、こうした習慣的な体験知というのは実際に自分で実践してみないことにはピンとこないはず。
その意味で、29日にうお座から数えて「習慣の見直し」を意味する6番目のしし座で満月を迎えていく今週のあなたにとって、自分なりに上手に「sleep it over」してみることが一つの課題となっていくでしょう。
無意識との対話習慣
ゲーテの言葉に「足下を掘れ、そこに泉が湧く」というものがあります。
ゲーテは偉大な文豪であっただけでなく、ワイマール公国の宰相もつとめた謹厳な人物でもありましたが、しかしそれらすべてをひっくり返すほどに、とにかく女性が好きな人でした。
中でも70歳を過ぎてからも十代の少女に真剣にプロポーズした話などはあまりに有名ですが、そんな彼が若きインタビュアー相手に遺した言葉が冒頭の一言なのです。
これは前後の文脈に照らせば「既に立ってしまっている自分という性分を、世間体や体面など気にせずに一心に掘っていけば、そのうち運も向いてくるさ」くらいのニュアンスなのですが、実際の彼の人生と突き合わせていくと、やはりそこに色気が匂い立ってくる。
その意味で、「種子をきちんと寝かせる」というのは、机の上の仕事だけでなく、相手選びや人生の決断において迷った際にも有用な生活の知恵なのではないでしょうか。
今週のうお座もまた、できれば彼くらいのストイックさで熱心さで「sleep it over」を実行していきたいところです。
今週のキーワード
セレンディピティー